にじ379号

交流会、楽しい1日を過ごしました!

9月3日、久しぶりに60名を超える参加者とともに楽しい1日を過ごしました。「楽しい1日でした!」「元気で久しぶりに会えて楽しかった!来年も参加したい!」「初めて作ったスイートポテト、帰宅してから食べてみたら美味しくて一気に2個食べてしまいました!」などの声が寄せられました。
お口のももりん体操や災害に備えての講話もすぐに役に立つ内容でしたし、フラダンス、ミュージックベルクラブの発表も日頃の練習の成果が遺憾なく発揮されました。聖光学院高校のハンドベル部の皆さんの演奏は、美しく、それでいて迫力があって心に染み入るものでしたね。「オペラ座の怪人」、中島みゆきの「糸」「花は咲く」、どれも素晴らしかったです。ミュージックベルクラブとのコラボには感激しました。
大好評だった「スイートポテト」のレシピをご紹介します。

レシピ「スイートポテト」
材料:(ラグビーボール型で15個分)
さつまいも 800~850g、バター 50g、
砂糖 50g、生クリーム 100cc、
バニラオイル 数滴、卵黄 1個分、黒ごま 少々
作り方
1.さつまいもは皮をむき、1~2cm幅の輪切りにし、しっかり浸る程度の水と一緒に鍋に入れ、水から柔らかくなるまで茹でる。
2.柔らかくなったら、お湯を捨て、しっかり水を切る。
3.さつまいもをジップロックに入れ、袋の上から麺棒などを使ってよく潰す。
4.バター、砂糖、生クリーム、バニラオイルの順に入れ、その都度、全体に均一に混ざるよう袋の上からよく揉む。
5.袋の角を少し切り、アルミケースにさつまいもを絞り出し、手で形を整える。
6.刷毛で表面に卵黄を塗り、胡麻をパラパラとふりかける。
7.200℃に予熱したオーブンで15~20分焼いてできあがり!!

私とにじの会
福島市渡利 佐藤カツ
にじの会の皆様、会報「にじ」を愛読の皆様、こんにちは。日頃は大変お世話になり、ありがとうございます。会報「にじ」では多くの情報や、読者の皆様の声、そして生き生きと歌われている短歌などを毎回楽しく拝読しております。
にじの会の名を知ったのは点字を通してなので、そのかかわりなどを書いてみたいと思います。
まずは、私の障害について、目と耳の両方に障害のある全盲難聴の盲ろう者です。耳は突発性難聴で右の耳は全く聞こえません。一方、目は網膜色素変性症と診断され、まさか失明するなんて信じられず、信じたくない気持ちでしたが、人生半ばで失明してしまいました。当時は「困った、困った」ということばかりで、頭がいっぱいで、家の周りで鳴いている鳥の声さえ聞こえなくなっているありさまでした。
そのような時、平成9年4月から生活訓練のため塩原視力障害者センターに入所することになりました。歩行を中心に、パソコン・点字などの生活全般についての訓練が始まりました。それまでは点字などから遠ざかりたい気持ちでしたが、否応なしに点字を学ぶことになりました。いざ学習が始まると、点字の6点が寄ったり離れたりして文字になること、そして五十音までもできると知り、なんてすばらしいと感心したり驚いたりの日々でした。学んでいるうちにおもしろくなってきました。「そうだ、日記がわりに自己流短歌を作りそれを点字に打っておこう」と思いつきました。塩原のセンターでは書く方だけの勉強でした。
生活訓練を終えて帰ってくる時のことです。「福島にはにじの会と言うところがあると聞いているので、帰ったら連絡をとって見てください」と先生の言葉でにじの会の名を知りました。
半年ぶりに我が家に戻り、にじの会に電話をし、点字の勉強をしたいと言うことを話しました。これが、にじの会様との初めての出会いです。早速、指導を受け点字の勉強をすることになりました。自宅での学習は1対1で点字の読み方の学習です。チンプンカンプンの指先でしたが、「いつかきっと読めるようになるだろう」と言う希望を持って、少し緊張しながらも楽しい学習が続きました。
そんなある日のこと「点字を学ぶ盲ろう者、にじの会の指導」と言うテレビ放映がされたのです。その画面には、短歌「白状を初めて振りし右左心に杖はまだ持てぬまま」「何告げるデデッポッポウせわしげに光なくせどゆとり得し朝」と共に点字を読んでいる姿が映されたそうです。テレビを見たと言う人たちから「にじの会では点字を教えてくださるのですね」とか、「なに!見えなくなってしまったの?」と言う同級生、「私も目が不自由な者です」などなどの反響がありました。
そうして学習は続きました。学習の場は吉倉の事務所になり、個人指導で点字の決まりなど学ぶことがたくさんありました。今でもそのときのテープを聞いては思い出し、役に立っています。その後、点字学習の会場は保健福祉センターになり、今度は4~5名でのグループ学習になりました。今は亡き前会長の遠藤さんたちと楽しく学習したことが懐かしく思いだされます。あせらず続けていたのがよかったのか、指はちゃーんと覚えてくれ読めるようになったのです。
見えない者が唯一自分の力で読み書きができる文字、それは点字だと知ったとき、点字を教えていただき、続けてきて本当に良かったと思っています。いろいろな資料の点訳や本の点訳、忙しい中で、お願いしている盲ろう者友の会の会報「ピーチピチ」の点訳までもしていただき本当にありがたく思っております。
ここから小旅行の思い出を二つ書きます。ある年は新幹線での東京の旅でした。大活字社の見学や深川の下町の佃煮屋さんが並ぶ所で佃煮を買ったり、いろいろな場所を見学しました。なんといっても昼食のあの浅利ご飯のおいしかったこと・・・香りが今も漂うような思い出です。もう一つは、山形の山寺です。家族などでも数回行きましたが、毎回途中まででした。にじの会の方とペアになり、周りの状況を聞きながらの登りは楽しく、今まで叶わなかった頂上まで登ることができました。大杉に手を回して尺を想像したり、いろいろ見えてくる山寺でした。そしておいしい昼食、山形の帰りみやげは「もって菊(ぎく)」、一緒に歩いてくださる方がいるので安心して見て回ることができました。今ではすっかり人気の小旅行で、希望者が多く参加受付もなかなかむずかしいようです。この頃は「皆さんいってらっしゃーい」と見送る側になっていますが、また参加できたらうれしいと思うこのごろです。
この25年間を振り返りますと、家族と共に参加した懇談会や勉強会・腰の浜会館でのお茶タイムつきのバザー・久ぶりに声をかわすことのできた交流会・パソコンの学習などなど、あの時もこの時も真剣にまた楽しく本当に思い出は書ききれません。
にじの会は、私にとってもう1本の白杖であると思うのです。こうして見えなくなってもいろいろな面で支えてくださり、安心して生活ができます。精神面でも大きな支えになっております。お陰様で私はここまでこれました。心から感謝申し上げます。にじの会の皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

短歌・俳句・川柳
菅野康男さん(福島市)
秋風が財布かすめる物価高

薄井セツ子さん(福島市)
そよ風に洗濯物がフラダンス

穴澤勲さん(会津若松市)
岸田さん国民だけの政治です
外交よりも内需拡大

矢島秀子さん(南相馬市)
青草の露こぼれ落つ荷車に
父の土産の野の花ゆれる

清野隆一さん(郡山市)
かき氷ピンクに染まり綺麗ねと
おしゃべり夢中溶けて桃水(ももすい)

小板橋順二さん(猪苗代町)
長い夏働き続けたエアコンも
彼岸さかいにヒーターにバトン

三浦寛さん(国見町)
天高く肥える我が妻気にしない
ヘルスメーター毎日昼寝

谷田川正さん(郡山市)
秋味覚香り新米栗御強(おこわ)
サンマ塩焼き深く味わう

おしらせ
●令和5年度版「私たちの税金」が、国税庁広報広聴室から届いてます。点字版、音声CD版貸出します。

今月のイチオシ!図書
福島県内の場所が舞台だったり、ゆかりの人物がテーマの小説・エッセイ・ノンフィクションなどをご紹介する第1回です。福島県が物語の大きな位置を占めるのか、地名が登場するだけかは読んでのお楽しみです。点訳・音訳ともにサピエに登録されています。
『会津高原殺人事件』西村京太郎:会津鬼怒川線開業記念のバッジを持った男が浅草で倒れていた。十津川警部は3日前に会津高原で起きた若い女性殺しとの関連を疑う。高沢という男が病院から失踪した翌日、もう1人の「高沢」が殺された。記憶を失くした男の周囲で次々起こる殺人事件。犯人の狙いは何か。会津若松、芦ノ牧、喜多方で、十津川警部の推理が冴える。
『赤猫』柴田哲孝:定年間近の刑事片倉は、休暇を利用して秘境のローカル線・只見線に乗りに来た。それは20年前に練馬で起きた放火殺人事件の現場から忽然と消えた謎の女・鮎子の足跡を探す旅でもあった。
『アポロンの嘲笑』中山七里:原発作業員が巻き込まれたある殺人事件。加害者の邦彦は、なぜ危険極まりない「フクイチ」に向かうのか。事件の真相を追う刑事の仁科は、やがて驚愕の事実にたどり着く。
『王城の護衛者』司馬遼太郎:徳川幕府を最後まで支えて戦い、遂には将軍慶喜に見放されながらも家訓に殉じた、松平容保の悲劇の生涯を描く。
『彼女の人生は間違いじゃない』広木隆一:東日本大震災後、恋人とうまく付き合えなくなった主人公は、役所勤めのかたわら、東京で風俗のバイトを始める。映画監督がフクシマの今を描く。
『死の発送』松本清張:東北本線五百川駅近くで死体入りトランクが発見された。被害者は東京の三流新聞編集長・山崎。しかし東京・田端駅からトランクを発送したのも山崎自身だった。競馬界を舞台に描く巨匠の本格長編推理小説。
『透明な遺書』内田康夫:「警察は自殺だと言ってます。でも、私は自殺だなんて信じてません」福島県・喜多方で排ガス自殺と断定された父の死因を承服できない清野翠。翠の父の友人であった「歴史と旅」藤田編集長の依頼をうけて浅見光彦は、彼女とともに残された“透明な遺書”をよりどころに、喜多方にむかうのだが。浅見光彦が政界を巻き込んだ疑獄事件に挑む。
『福島の花さかじいさん 阿部一郎 開墾した山を花見山公園に』森川成美文:「福島に桃源郷あり」と評された見事な花の山。福島市の「花見山公園」をつくりあげ、だれでも自由に花を愛でられるよう、無料で開放している阿部一郎さんの歩みを生き生きと描く。

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特定非営利活動法人にじの会


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