にじ378号

今年度も半分が過ぎました。各種講習会のうち、ウォーキングボランティア講習会・音訳講習会が終了し、新たな仲間が活動を開始しています。どうぞよろしくお願いいたします。点字講習会は9月6日(水)から来年1月17日までの18回、腰の浜会館で行われます。継続して新たな仲間を迎え、活動が受け継がれていくことを願っています。

バザーへどうぞ

秋の深まりとともに、にじの会のバザーが近づいてきました。今年は久しぶりに従来の形で開催いたします。お買い得の品々を準備してお待ちしていますので、どうぞ足をお運びください。また、提供品のご協力もぜひよろしくお願いいたします。
日時:11月11日(土)10:00~12:30
場所:福島視覚情報サポートセンターにじ
今回から、送迎の車は運行しないことにいたしました。申し訳ありませんが、各自お越しください。

私とにじの会

今回は伊達市梁川の江川裕美さんにインタビューさせていただきました。

1.にじの会を知ったきっかけは?
JRPS福島(網膜色素変性症協会)の集まりで、にじの会を利用されている方を知って、その方に勧められて、この会報「にじ」を聞くようになりました。それからしばらくの間は、会報を聞くだけのつながりでした。

2.利用が広がったのはいつから?
点字を覚えたいと思ったからです。盲学校の見学に行って、はじめて、自分は墨字も読めないし、また拡大読書器を使っても読めないと言うことに気付き、点字を覚えなくてはと、にじの会に電話しました。10年くらい前ですけど、はじめは福島市の介護事業所の送迎を利用して梁川からサポートセンターにじまで通いました。

3.点字の学習はどうでしたか?
点字を覚えるのは最初はとても大変でした。でも、毎日毎日触っているうちに次第に読めるようになりました。今ではスピードは遅いですが、必要な点字は読めるようになりました。

4.その後は?
点字学習をしているうちに「チャレンジクラブ」があることを教えてもらい、午前中は点字学習、午後はチャレンジクラブに参加するようになりました。

5.今は一人でバスを利用してここまで来られていますね。
福島市の介護事業所が利用できなくなり、どうやったら梁川からここまで来られるか悩みましたが、にじの会でやっていた歩行訓練を受けて、ここまで来てみようと思いました。はじめは自宅周辺からバス停まで、そして東口でバスを降りてから西口まで、野田中央公園のバス停を降りてからサポートセンターまでと順番に歩行訓練を受けました。東口のバスプールはわかりにくくて何度も何度も訓練しました。
自分で自宅からサポートセンターまで来られるようになったのは嬉しかったです。自宅のバス停から東口まで約1時間バスに乗って、東口から西口まで8分で歩きます。バスの時間がギリギリなのでいつも焦ってしまうのですが、落ち着いて歩くように心がけています。見知らぬ方がサポートしてくださったりするので、通って来れてますね。
《事務局:当時、日本盲導犬協会仙台訓練センターにお願いして、にじの会の活動として、歩行訓練士の方に指導していただいていました。現在は、県に歩行訓練士の方がいらっしゃいますので、当会の事業としては行っていませんが、当時は多くの方が訓練を受けてくださって、ここまでご自分で歩いてこられるようになった方も数名いらっしゃいます。》

6.そのほかの活動もなさってますね
フラダンスやサウンドテーブルテニスにも参加しています。ウォーキングも。フラダンスのときもバスできています。
フラダンスは、私たちは先生の動きを見て覚えることはできないので、最初から最後まで動きを全部覚えて踊るのは結構大変です。でもみんな熱心なので・・・
サウンドテーブルテニスは、ここに卓球台が来たときから参加しています。見えないからスポーツはできないとあきらめていたけれど、スポーツができることは楽しいです。みんな同じ条件でやっているので言い訳はできないですね。「がんばろう!」と思います。仲間内だけでは実力がわからないので、今年は東北大会に自主参加しました。外の空気を吸ってこようと思って。
小旅行でもいろいろな企画があってそれぞれ楽しいのですが、新幹線に乗って浅草やスカイツリーに行ったのは心に残っています。楽しかったですね。
にじの会の行事は、どんな行事も一人一人にボランティアさんがついてくださるので、安心して思い切り動くことができます。ウォーキングも長い距離にチャレンジして思い切り歩けるのがいいですね。
一方、一人で白杖をついて歩いているといろんなかたに声をかけてもらえて、助けてもらえます。どなたかはわからないけれど、「ああ、この人は以前も声をかけてくださった」という人もいます。人とのつながりができる楽しみがあります。誰かと一緒に歩いていると安心はできるけど、声をかけてはもらえないですからね。

7.にじの会の活動にはほぼ参加いただいていますが、にじの会に望むことを教えてください。
これまでも十分利用させていただいていますので、これからも今の活動を続けられたらいいなあと思います。にじの会は、私がまだ利用していない活動もいろいろされているので、それらも利用させていただくことによって、自分自身の生活の幅を広げていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

短歌・俳句・川柳
丹治恵子さん(福島市)
好きな夏いやになりそうこの暑さ

薄井セツ子さん(福島市)
女子会もいつの間にやら皆バーバ

矢島秀子さん(南相馬市)
新盆(にいぼん)の友を忍びし語らいに
飛び込んでくるひぐらしの声

穴澤勲さん(会津若松市)
秋雨が刃(やいば)のように突き刺さる
俺のこころはさまよい歩く

小板橋順二さん(猪苗代町)
送り火のゆらりゆらりと西の空
煙の彼方カナカナの声

清野隆一さん(郡山市)
紅葉狩り鳥も遊覧涼しげに
注ぐ日差しに咲く傘の花

三浦寛さん(国見町)
少子化でスクールバスは空気を運ぶ
見送るジジババ畑で手を振る

武田栄子さん(福島市)
日一日と言葉の数の増えたるを
嬉しさ増しぬひ孫のおしゃべり

谷田川正さん(郡山市)
名月を我の眼(まなこ)見えねども
幼き覚え今だ薄れず

福島ロービジョンネットワークからのお知らせ
10月22日(日)午前9時より、視覚障がい者の歩行を支援するシステムの体験会を行います。
会場:福島県点字図書館内 生活支援センター
体験内容
①あしらせ 足に装着しiPhoneが連携して、足元への振動で目的地へ誘導する歩行ナビゲーション。
②アイナビ iPhoneひとつで、道案内と障害物検出、歩行レコーダーの機能を備えた歩行支援アプリ。
③SYN+ 視力を必要とせず、周囲の環境や空間を振動や音響の変化で認識できるようになる体験。
④ OKO AIの画像認識によって、歩行者用の信号機を判別するiPhone専用のアプリ。
参加申し込み:メール(件名「体験会参加希望」)keiko-85@ymail.plala.or.jp または電話(ネットワーク事務局)090-5844-6595、なお、申し込み締め切りが9月30日となっております。
申し込み時に必要な事項:名前(体験者)、メールアドレス、視覚障害の有無、体験したいシステム名(複数希望可)、iPhone所有の有無、付き添いの有無

今月のイチオシ!図書

「かあさん、ぼくのあの帽子、どうしたでしょうね」という西条八十の詩の一節をモチーフにした作品で、大ベストセラーを生み出した森村誠一氏が7月に亡くなりました。ホテルや新幹線などを舞台に、現代社会の疎外感や虚無感を掘り下げ、社会派的なテーマとトリックを融合したミステリー作品から、旧日本軍の中国での人体実験を告発したノンフィクション、時代小説などを数多く発表。晩年は、「老いる意味」で話題となりました。ご紹介する作品は、点訳・音訳ともサピエに登録されています。
『人間の証明』:ホテルの42階にある超デラックスレストランに若い黒人の刺殺体が転がり込んだ。名はジョニー・ヘイワード。はたして犯人の手掛かりは?「人間であること」の意味を問う、感動の長篇推理。
『野性の証明』:山村で起きた住人の大量殺人事件。生き残った少女は事件のショックから「青い洋服を着た男の人」を見たこと以外の記憶を失っていた。捜査は難航するが、事件は意外な様相を見せ…。
『終着駅』:各々の成功をめざし、運命のターミナル、新宿駅に降り立った人々。やがて起こる5件の犯罪。人間の欲望と大都市の非情をえぐる傑作ミステリー。
『高層の死角』:ホテル最上階の一室で社長が刺殺された。機密性の高いホテルという舞台での密室殺人。業界の内情を熟知した著者ならではのトリックとアリバイ崩しが光る、江戸川乱歩賞受賞作。
『ファミリー』:婚約者を事故で亡くした弓子は、上司の薦めで見合いをした。羽室裕也は好青年で、羽室家も完璧な円満家庭にみえた。だが、弓子の中では次第に違和感が膨らみはじめる。ホラー小説。
『深海の寓話』:元刑事の鯨井は、環状線で黒服集団に囲まれたOLを救ったことをきっかけに、5人の仲間と共に私製の正義の実現を目指す。武器は経験、自由、そして覚悟。リタイア後の男が巨大権力に挑む!
『新幹線殺人事件』:ひかり66号で発見された男の死体。事件の背後には万博の巨大な利権と芸能プロの暗闘があった。捜査本部は密室トリックと鉄壁のアリバイ崩しに挑む。
『結婚の条件』:サラリーマンの妻から一転、市長夫人、ベストセラー作家になった彩。自立した彩にとって結婚とは、安定を求める契約に過ぎなかった。時の人となった彩に、過去の忌まわしい男たちが訪れ…。
『虚構の空路』:容疑者はその時間、パリへ向かっていた。二重、三重のアリバイ崩しに挑む刑事の執念。
『悪魔の飽食』:日本陸軍が生んだ「悪魔の部隊」とは何か?世界で最大規模の細菌戦部隊(通称石井部隊)の恐るべき実像。
『殺人の花客』:超高層ホテルの一室で、男性の死体が発見された。被害者は女性と宿泊する予定だったらしいがその形跡はない。かわりに見つかったのは「カタセタム」という日本では珍しいランの花粉だった。奇妙な手がかりをもとに女性の行方を追う新宿署の牛尾。だが、事件当夜にホテルで起こった幾重もの人間模様がさらなる迷宮へと誘う。もつれた因縁の糸を敏腕刑事牛尾が丹念に解きほぐす白眉の社会派推理。
『刺客長屋』:町道場の用心棒・朽木刑部は、恩人から永田百万石のお家騒動に巻き込まれた笛姫を守ってほしいと頼まれた。最強の忍者軍団、閣老・柳沢吉保の魔手、闇の豪商から悲劇の姫を守れるのか?

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