にじ303号

     小旅行、今年は高畠・米沢へ

 今年の小旅行は、「まほろばの里・たかはたワイナリーと歴史のまち米沢・上杉神社を訪ねる旅」です。 一昨年は栃木県・那須高原、昨年は、岩手県・中尊寺と遠方が続きましたので、今年はお隣山形県の県南・置賜地方を訪ねます。
 ワイナリーで高畠ワインを楽しみ、牛釜飯に舌鼓を打ち、上杉鷹山・直江兼続ゆかりの上杉神社を「おしょうしなガイド」に説明をしていただきながら散策します。(「おしょうしな」は米沢の方言で「ありがとう」の意味です)
 日時:10月13日(金)
    9:00 福島駅西口出発(8:45集合)    16:00 福島駅西口到着・解散
 参加費:2,000円
 参加申し込みは、9月1日(金)9:00から受け付けといたします。

     会報発行に共同募金会から助成金をいただきました

 今年度、この会報「にじ」の発行のために共同募金会から配分金の助成をいただくことができました。ありがとうございます。
 この機に、「にじ」をより多くの方に読んでいただければと思います。拡大文字版、音声版、点字版を発行していますので、みなさまもぜひお知り合いの方に「にじ」をお勧めくださるようお願いします。

    7月のウォーキング  裁判所見学と周辺の散策

 福島地方裁判所では所内見学と日本の裁判員裁判制度、アメリカの陪審制、ドイツの参審制についてそれぞれの違い、裁判員制度の現状などについてお話を聞きます。その後、周辺のウォーキングをします。
 日にち:7月19日(第3水曜日)小雨決行
 集合:市民会館 1階ロビー 11時
 解散:市民会館 1階ロビー 14時
 各自、昼食と飲み物をご持参ください。

     プレクストークPTR3・PTN3が発売になります

 プレクストークPTR2・PTN2の後継機としてPTR3・PTN3が発売になります。(7月末日発売予定)
 触ってわかりやすいボタンや、音声ガイド、初心者用のカバーなどの機能は変わらず、持ち運びしやすいように持ち手が付きます。PTR3はデイジー録音再生機(価格85,000円)、PTN3は再生専用機(価格48,000円)です。(日常生活用具です)
 PTR3は、サピエのデイジーオンラインサービスに対応し、CDを借りることなくデイジー図書などを楽しめるようになりました。有線LAN接続・無線LAN接続ともに搭載され、様々なインターネット環境に対応します。また約5GBの内蔵メモリ、SDカード、USBメモリにデイジー図書を保存したり、録音することもできます。ただし、CDへの録音はできません。PTR2と3をUSBで接続すると、今までに録音したCFカードからデイジー図書などをPTR3に取り込めます。
 詳しくは、下記ページをご覧ください。
http://www.plextalk.com/jp/products/ptr3/

      短歌・俳句・川柳

           柳沼友治さん(郡山市)
ツツジ山嘴染めし小鳥どち

           菅野則夫さん(福島市)
七夕に雨激しくも宇宙(そら)晴れて

           谷津フク子さん(郡山市)
愛車乗り会話弾ませ温泉へ

矢島秀子さん(南相馬市)
いにしえの親子のあはれ偲ばれん
信夫の里に石は語らず

           宮崎英幸さん(福島市)
街中を行進しゆく鼓笛隊に
      女(め)孫は吹けりトランペットを

           武田栄子さん(福島市)
初孫のウェディングドレスにそっと触れ
      見えぬ眼(まなこ)に思い浮かべぬ

           三浦寛さん(国見町)
梅雨間近庭先花壇に眼をやれば
      並んだ我が子の大合唱

           穴沢勲さん(会津若松市)
山登り転んだ仲間手首折れ
      明日は我が身と気合いを入れる

           谷田川 正さん(郡山市)
紫陽花に小雨まとわり姿栄え
      七色(なないろ)変化(へんげ)の虹のごとくに

        お知らせ
● 今年の交流会は9月3日(日)にAOZで行います。今年もご希望によってカンタンクッキングや軽く体を動かす体験をしたり、暮らしに役立つお話を伺ったりするプログラムにしたいと現在検討中です。皆様是非ご参加ください。

● 日本点字図書館からシネマデイジー3タイトルを寄贈していただきました。「伊豆の踊子」(1963年)、「銀座の恋の物語」(1962年)、「日本一の色男」(1963年)の3タイトルです。ご希望の方に貸し出しいたします。

●厚生労働省政府広報「年金ニュース」および「確認じゃ!給付金。」の点字・墨字印刷版がにじの会に届いています。ご希望の方には、届いたときに、点字版会報に同封いたしますので、お知らせください。

     福島県ロービジョンネットワーク 第20回フォーラムのご案内

リハビリテーションは、障害を持つ人々が人間らしく生きる権利の回復、すなわち全人間的復権を理念とするとされています。そのリハのために日々活躍しているのが、リハ専門職である理学療法士、作業療法士、言語聴覚士そして、視覚障害者生活訓練等指導員(歩行訓練士)の皆さんです。
第20回フォーラムでは、テーマを「リハ専門職のお仕事」とし、それぞれの専門家にどのようなお仕事をしておられるのかをお話いただきます。一人の人が持つ障害が一つとは限りません。特に高齢者ではその可能性が高く、それぞれの専門職の間にも情報の共有が必要です。様々な点からリハについて皆さんで考えてみたいと思います。多数の方のご参加をお待ちしております。
 日時:7月23日(日)10:00~13:00
 会場:郡山市 総合南東北病院内 大講堂
 テーマ:「リハ専門職のお仕事」
 講演演題
 ・視覚障害者生活訓練等指導員という仕事について
・リハ専門職における言語聴覚士の役割 -きこえとことばの支援
 ・リハ専門職における作業療法士の役割 大切な作業を支援する
・リハ専門職における理学療法士の役割 視覚障害への関わりについて
 参加費:500円
 機器展示も予定しています。

      坂下さんの 「私のおすすめ」

『椿と花水木 万次郎の生涯 上・下』津本陽著・・・ジョン万次郎(中浜万次郎)は、土佐藩の貧しい漁村に生まれた、幕末から明治にかけての人物です。黒船来港に伴い騒然とする国内情勢の中、日米和親条約の締結に尽力し新しい日本国の近代化に貢献しました。
 父親を早くに失い弟妹と母親を助け幼い日から村の中で僅かな手間賃を得るために働き続けました。そのために寺子屋にも通うことができずに文字の読み書き・算盤も身につけることができませんでした。
 14歳のころ鰹漁船に乗り込み、暴風に遭遇。仲間4人と共に遭難し5日間漂流・奇跡的に伊豆諸島の無人島鳥島に漂着しました。島に生息するあほうどりを捕らえて食料とし、雨水で乾きを癒やし143日間生き延び、ウミガメ捕獲のために錨泊したアメリカの捕鯨船に救助されます。当時日本は鎖国状態にあったために、海外に出た者が帰国した場合にはそのまま牢獄につながれるか最悪打ち首とされました。そのために4人の仲間はハワイへ上陸し定住を選びました。
 万次郎はその利発さと骨身を惜しむことの無い勤勉さとが船長・ホイットフィールドの目にとまり、本人の希望が聞き入れられ、そのまま捕鯨船にとどまり航海を続けました。このとき初めて世界地図を目にし、世界における日本の小ささに驚いたといわれています。さらに多くのアメリカ人乗組員からもかわいがられこの時船名にちなみジョン・マン(John Mung)の愛称をつけられたと言われています。
 その後アメリカ本土に渡った万次郎は、ホイットフィールド船長の養子となります。このままアメリカで生きて行くためには他人の10倍は努力し勉学を重ねて行かなければならないと悲壮なまでの覚悟を固めます。養父ホイットフィールドの善意に支えられ英語・数学・測量・航海術・造船技術などを学びます。これは、言うは易く並大抵のことではありません。目に一文字も無い環境で育った者に取り、英文の読解力・会話力、それらの基礎的な条件が満たされて初めてなし得る学業です。多くの人々の善意に支えられると同時に白人優位主義者による有色人種に対するあからさまな侮蔑・差別にもさらされました。
 時代は激しく移り変わり、日本にも諸外国の船舶が次々と訪れては開国を迫りつつありました。英国と清国の間の阿片戦争、欧米列強によるアフリカ・アジア・南アメリカの植民地化、日本国内でもそれらの世界情勢の驚異は広く知られるようになってきました。
 ここに至り、万次郎と仲間たちは日本への帰国を決意し、琉球へ上陸。直ちに薩摩藩の島津斉彬に迎えられます。アメリカにおける人々の生活の有様・政治の仕組み・蒸気機関・電信などの最先端科学技術について詳細に報告します。それらの内容は江戸幕府へと急報されます。唯一アメリカ事情に精通する者として幕臣旗本としての身分が与えられます。
 幕末から明治維新にかけて新しい日本の開国に身を投じた志士たちのほとんどは直接的間接的の差こそあれ万次郎の元で学び訓育を受けたと言っても過言ではないのです。世界の近現代史において、有色人国家で欧米列強の植民地としての屈従を強いられることなく、辛くも日本が生き残ることのできた誘因の一つとして、この快男児の存在を上げることができるのではないでしょうか。(点訳・音訳あり)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


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福島市西中央2丁目23-1
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FAX:024-529-7031

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