にじ348号
今年度5月から、ウォーキングクラブ開始します
これまで、会の行事として実施してきたウォーキングを、もっと気軽な健康維持のための活動として「ウォーキングクラブ」に衣替えします。これまでは、年6回テーマや場所を決めて集合し、昨年度はコロナ禍で食事はできませんでしたが、昼食持参で行ってきました。しかし、歩く距離が負担だったり、集合場所への移動が大変だったりという困難さや問題点も出てきましたので、今年度から、もっと身近な場所を健康維持のために各自のペースや脚力にあわせて歩きを楽しむという形にいたします。
活動日は、毎月第2・第4水曜日、サポートセンターにじに10時半集合で、12時には終了します。
活動開始は5月12日(水)です。関心のある方はぜひ第1回にご参加ください。参加はどなたでも自由ですし、クラブ活動にはいつからでも参加できます。申し込みなど、詳しくは来月号でお知らせいたします。
なお、今年は残念ですが、4月のお花見ウォーキングは中止といたします。
ウォーキングボランティア これまでの活動を振り返って
にじの会では、2008年からガイドボランティア講習会修了者の活動の場として、年に2~3回、あづま総合運動公園などでウォーキングを開始しました。その後、ウォーキングボランティアが中心になり、回数を増やしながらの準備期間を経て、2013年度から現在の形でスタートしました。この年の第1回活動は、23名のウォーキングボランティアと点訳・音訳のボランティアを含め31名となりました。
年6回の実施は、4月は桜を見るために第3水曜日とし、それ以外は第4水曜日としました。ウォーキングコースは、①歩行2時間(休憩を含む)、昼食1時間、計3時間以内、②歩行距離は5、6km以内、③トイレは洋式または多機能式が設置されているところをコース上に2カ所程度、④昼食の取れる施設がある(ウォーキングの途中の雨に対処)、⑤コース上の歩道に、歩道橋や横断箇所に信号の有無、その他危険な箇所がないか、以上の5項目を考慮してウォーキング先を決めました。
実施までの流れは、定例会で選んだウォーキング先をボランティア数人で上記の5項目をもとに下見します。下見で問題がなければ、にじの会全体の連絡会で承認を得て、具体的に進めます。ウォーキング先を再度数人のボランティアでコースの下見を行い、問題点が無いかチェックします。
このようにして、ウォーキングボランティア活動開始から昨年度までに実施したウォーキング先と、参考までに小旅行先もあわせて年度別にピックアップしてみました。
2013年 飯坂花ももの里、信夫山など、小旅行は浄土平ハイキング
2014年 大森城山、県立美術館見学など、小旅行は東京スカイツリー
2015年 福島競馬場見学、福島大学構内散策など、小旅行は那須高原
2016年 じょーもぴあ宮畑、福島民友新聞社見学など、小旅行は平泉中尊寺
2017年 福島地方裁判所、福島銀行本店見学など、小旅行は米沢上杉神社、高畑ワイナリー
2018年 福島日赤血液センター、弁天山と椿山など、小旅行は松島(福浦島、瑞巌寺)
2019年 岩谷観音、福島学院大学構内、福島市保健所見学など、小旅行は、キリンビール仙台工場、鐘崎笹かま館見学
2020年 ウォーキングは4月、5月は中止、6、7、10、11月は昼食を避け、午後からの実施となりました。小旅行は中止となりました。
今年度からは、サポートセンターにじを出発、到着地点にして、歩行距離や時間も各自のペースに見合ったコースを選べるようにしながら、毎月2回、ボランティアと共に楽しめるウォーキングにしたいと考えています。ウォーキングボランティアも多くのメンバーが参加するようにしてください。
短歌・俳句・川柳
柳沼友治さん(郡山市)
竣工や熱ほとばしる黒き土
菅野則夫さん(福島市)
子の笑顔続けと願う雛祭り
武田栄子さん(福島市)
病床の夫(つま)の頬(ほほ)に手を添えて
ひげ剃りあとにそっと触れたる
矢島秀子さん(南相馬市)
大地震ボリュームをあげ聞くラジオ
津波解除に深く息をつく
小板橋順二さん(猪苗代町)
久々にイエローフォールに立ち寄れば
滝のしぶきか粉雪が舞う
穴澤勲さん(会津若松市)
はや2月コロナ終息メドたたず
世界の今後どうなるニッポン
三浦寛さん(国見町)
潮薫る触れる彫刻温かい
塩屋を臨む兎渡路の館
谷田川正さん(郡山市)
春歩むトコトコトコと軽やかに
我が身弾みて靴音高し
JRPS福島から定期総会のお知らせ
東日本大震災から10年、そして先日の震度6強の大地震の被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
第15回定期総会を下記の通り開催いたします。多数の参加をお待ちしております
日時:5月16日(日)10:30~11:30
(受付 10:15~)
場所:福島市「アオウゼ」
MAXふくしま4階大活動室3
申込み先:090-7931-5984(携帯)
miura_164@docomo.ne.jp(メール)(三浦寛さん)
申込み締切:4月30日
※感染予防対策にご協力お願い致します。
お知らせ
●3月13日(土)JRのダイヤ改正が行われました。点字の時刻表を作成し、利用されている方にでき次第発送しています。点字の時刻表を新たに希望される方、また必要なくなった方も、にじの会へご連絡ください。
●点訳ボランティアは個別の点訳相談だけで、全体研修ができない状況になっていますので、今年度4月から、点訳・校正上の留意点など全体に関わるポイントを毎月発行し、事務局に1ヶ月間印刷物を置くとともに、ホームページの会員のページに掲載します。また、音訳・テキストデイジー・ウォーキングボランティアのための連絡事項も、今年度からこれまでよりきめ細かく掲載しますので、各ボランティアは随時確認するようにしてください。(ID・パスワードが不明な方は事務局にお問い合わせください)
点字図書差し上げます(3)
貸出図書整理のため、ご希望の方に差し上げます。事務局までお申し込みください。お申し込みがあり次第、先着順で差し上げます。図書は、すべてひもとじです。カッコ内は巻数。今年度は以上です。
1.高血圧を下げる生活事典(5)島田和幸監修
2.昭和の贈り物(6)川内清隆著
3.チベット受難と希望(6)ピエール・A・ドネ著
4.パイプのけむり選集「食」(2)団伊玖磨著
5.フランシス・キング短編傑作集(7)
6.トップサイエンティスト(5)ニュートンプレス
7.むかしの山旅(5)今福竜太編
8.ある検事の告発(5)三井環著
9.和泉式部日記(5)川村裕子編(製本)
10.この人なり・宮城道雄伝(15)吉川英史著
11.ルクセンブルグの迷路(8)クリス・バヴォーネ著
12.赦し(4)矢口敦子著
13.告白(4)湊かなえ著
坂下さんの 「私のおすすめ」
『光陰の刃』西村健著・・・《権門上(かみ)に傲(おご)れども国を憂うる誠なし、財閥富を誇れども社稷(しゃしょく)を思う心なし》(昭和維新の歌)。1929年(昭和4)、アメリカに発したウォール街大暴落は地上全ての国家・民族を未曾有の世界恐慌へとたたき込んで行きました。欧米列強は自国の権益を守るためにアジア・アフリカ・南アメリカに確保していた植民地を囲い込んでのブロック経済を構築して行きました。資源を持たない日本にとっては、自由な世界貿易こそが国家としての生存を保証する手段でした。人種差別の撤廃、自由な国際貿易の実現、国際会議を通じての懸命の発言と説得はことごとく無視され拒否され続けた結果、国論は劇的なほど、白人列強に対応する大アジア主義・大東亜共栄圏構築へと突き進んでゆきました。
町の中には失業者があふれ、東北地方の農家では、相次ぐ冷夏のために大凶作に見舞われました。娘たちはその身を売られ、村役場には女衒(ぜげん)のための窓口さえ設けられたのです。兵営にあった農家の次男・三男坊たちは、故郷の妹の行く末を思い泣きました。
国策を誤り、紊乱するものは何者か!三井・三菱・住友・安田、国家革新の名の下に、政府・財界の要人はテロの目標とされ次々と凶弾に倒れて行きました。
団(だん)琢磨(たくま)は1858年(安政5)筑前の下級藩士に生まれました。開国した日本が世界の列強の中で生き残って行くために、鉱山学を学ぶべくアメリカへと渡ります。帰国後は、国策としてのエネルギー資源の開発のために、三池炭鉱の経営に当たりました。従来の納屋(なや)制度を全廃し、それまで過酷な労働環境・中間搾取に絡め取られていた炭鉱労働者を全て三井合名会社の正式社員として雇用する形としました。それにより社宅・水道・電気は全て会社負担とし、病院・子供たちの学校までも炭鉱の町の中に設立して行きました。
「安定した社会なくして経済の発展はなし」
「経済の発展なくして社会の繁栄はなし」
琢磨の一貫した主張であり、三井財閥の最高指導者の重責についても、それは全く変わることのないものでした。
しかし世界の動き・日本の立場はあまりにも苛烈なものでした。琢磨の身を削るばかりの思いは天に通じることなく、1932年(昭和7)、血盟団の若者により暗殺されました。
井上日召(にっしょう)は、1886年(明治19)群馬県医家のもとに誕生。幼い日から鋭い感性を持った少年であったようです。桔梗の花はなぜ青いのか、おみなえしの花はなぜ黄色なのか、そして自らが生きていること、生命の根源に存在の意味を問い続けました。周囲の大人たちに語りかけますが、うるさがられ邪険にされるばかりです。生まれ故郷を捨て、死に場所を求めて流浪します。船上から海中に身を投じ、死のうとしますが行商人に抱き留められます。大陸へと渡り辛亥革命のもと、銃弾飛び交う中に身をさらしますがやはり死ぬことができません。大アジア主義を掲げて、白人列強を相手に戦いを挑んでも人類の救済はあり得ません。
宇宙、森羅万象全てこれ一体と、日蓮宗の僧侶として出家し、井上日召と号しました。国を誤り、民草を塗炭の苦しみにさらし、要路にあるもの、今はその排斥こそが要諦である。胆力に優れた若者を見極め、拳銃を握らせ暗殺者として放ちます。しかしこの時井上日召は一つのことを厳しく言明しています。警護の警察官・身近にいる一般の民草を殺してはならない、怪我もさせてはならない。
不特定多数の人々を巻き込んだ無差別テロは絶対に許しませんでした。「一人一殺」の厳しい命令でした。多くの志士が昭和維新の大義の下に倒れていきました。にもかかわらず、歴史の流れはいかようにもなしえないものでした。国家総動員体制、日本もまた、人類がかつて経験したこともない未曾有の世界大戦へと巻き込まれていったのです。(点訳・音訳あり)
今年度5月から、ウォーキングクラブ開始します
これまで、会の行事として実施してきたウォーキングを、もっと気軽な健康維持のための活動として「ウォーキングクラブ」に衣替えします。これまでは、年6回テーマや場所を決めて集合し、昨年度はコロナ禍で食事はできませんでしたが、昼食持参で行ってきました。しかし、歩く距離が負担だったり、集合場所への移動が大変だったりという困難さや問題点も出てきましたので、今年度から、もっと身近な場所を健康維持のために各自のペースや脚力にあわせて歩きを楽しむという形にいたします。
活動日は、毎月第2・第4水曜日、サポートセンターにじに10時半集合で、12時には終了します。
活動開始は5月12日(水)です。関心のある方はぜひ第1回にご参加ください。参加はどなたでも自由ですし、クラブ活動にはいつからでも参加できます。申し込みなど、詳しくは来月号でお知らせいたします。
なお、今年は残念ですが、4月のお花見ウォーキングは中止といたします。
ウォーキングボランティア これまでの活動を振り返って
にじの会では、2008年からガイドボランティア講習会修了者の活動の場として、年に2~3回、あづま総合運動公園などでウォーキングを開始しました。その後、ウォーキングボランティアが中心になり、回数を増やしながらの準備期間を経て、2013年度から現在の形でスタートしました。この年の第1回活動は、23名のウォーキングボランティアと点訳・音訳のボランティアを含め31名となりました。
年6回の実施は、4月は桜を見るために第3水曜日とし、それ以外は第4水曜日としました。ウォーキングコースは、①歩行2時間(休憩を含む)、昼食1時間、計3時間以内、②歩行距離は5、6km以内、③トイレは洋式または多機能式が設置されているところをコース上に2カ所程度、④昼食の取れる施設がある(ウォーキングの途中の雨に対処)、⑤コース上の歩道に、歩道橋や横断箇所に信号の有無、その他危険な箇所がないか、以上の5項目を考慮してウォーキング先を決めました。
実施までの流れは、定例会で選んだウォーキング先をボランティア数人で上記の5項目をもとに下見します。下見で問題がなければ、にじの会全体の連絡会で承認を得て、具体的に進めます。ウォーキング先を再度数人のボランティアでコースの下見を行い、問題点が無いかチェックします。
このようにして、ウォーキングボランティア活動開始から昨年度までに実施したウォーキング先と、参考までに小旅行先もあわせて年度別にピックアップしてみました。
2013年 飯坂花ももの里、信夫山など、小旅行は浄土平ハイキング
2014年 大森城山、県立美術館見学など、小旅行は東京スカイツリー
2015年 福島競馬場見学、福島大学構内散策など、小旅行は那須高原
2016年 じょーもぴあ宮畑、福島民友新聞社見学など、小旅行は平泉中尊寺
2017年 福島地方裁判所、福島銀行本店見学など、小旅行は米沢上杉神社、高畑ワイナリー
2018年 福島日赤血液センター、弁天山と椿山など、小旅行は松島(福浦島、瑞巌寺)
2019年 岩谷観音、福島学院大学構内、福島市保健所見学など、小旅行は、キリンビール仙台工場、鐘崎笹かま館見学
2020年 ウォーキングは4月、5月は中止、6、7、10、11月は昼食を避け、午後からの実施となりました。小旅行は中止となりました。
今年度からは、サポートセンターにじを出発、到着地点にして、歩行距離や時間も各自のペースに見合ったコースを選べるようにしながら、毎月2回、ボランティアと共に楽しめるウォーキングにしたいと考えています。ウォーキングボランティアも多くのメンバーが参加するようにしてください。
短歌・俳句・川柳
柳沼友治さん(郡山市)
竣工や熱ほとばしる黒き土
菅野則夫さん(福島市)
子の笑顔続けと願う雛祭り
武田栄子さん(福島市)
病床の夫(つま)の頬(ほほ)に手を添えて
ひげ剃りあとにそっと触れたる
矢島秀子さん(南相馬市)
大地震ボリュームをあげ聞くラジオ
津波解除に深く息をつく
小板橋順二さん(猪苗代町)
久々にイエローフォールに立ち寄れば
滝のしぶきか粉雪が舞う
穴澤勲さん(会津若松市)
はや2月コロナ終息メドたたず
世界の今後どうなるニッポン
三浦寛さん(国見町)
潮薫る触れる彫刻温かい
塩屋を臨む兎渡路の館
谷田川正さん(郡山市)
春歩むトコトコトコと軽やかに
我が身弾みて靴音高し
JRPS福島から定期総会のお知らせ
東日本大震災から10年、そして先日の震度6強の大地震の被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
第15回定期総会を下記の通り開催いたします。多数の参加をお待ちしております
日時:5月16日(日)10:30~11:30
(受付 10:15~)
場所:福島市「アオウゼ」
MAXふくしま4階大活動室3
申込み先:090-7931-5984(携帯)
miura_164@docomo.ne.jp(メール)(三浦寛さん)
申込み締切:4月30日
※感染予防対策にご協力お願い致します。
お知らせ
●3月13日(土)JRのダイヤ改正が行われました。点字の時刻表を作成し、利用されている方にでき次第発送しています。点字の時刻表を新たに希望される方、また必要なくなった方も、にじの会へご連絡ください。
●点訳ボランティアは個別の点訳相談だけで、全体研修ができない状況になっていますので、今年度4月から、点訳・校正上の留意点など全体に関わるポイントを毎月発行し、事務局に1ヶ月間印刷物を置くとともに、ホームページの会員のページに掲載します。また、音訳・テキストデイジー・ウォーキングボランティアのための連絡事項も、今年度からこれまでよりきめ細かく掲載しますので、各ボランティアは随時確認するようにしてください。(ID・パスワードが不明な方は事務局にお問い合わせください)
点字図書差し上げます(3)
貸出図書整理のため、ご希望の方に差し上げます。事務局までお申し込みください。お申し込みがあり次第、先着順で差し上げます。図書は、すべてひもとじです。カッコ内は巻数。今年度は以上です。
1.高血圧を下げる生活事典(5)島田和幸監修
2.昭和の贈り物(6)川内清隆著
3.チベット受難と希望(6)ピエール・A・ドネ著
4.パイプのけむり選集「食」(2)団伊玖磨著
5.フランシス・キング短編傑作集(7)
6.トップサイエンティスト(5)ニュートンプレス
7.むかしの山旅(5)今福竜太編
8.ある検事の告発(5)三井環著
9.和泉式部日記(5)川村裕子編(製本)
10.この人なり・宮城道雄伝(15)吉川英史著
11.ルクセンブルグの迷路(8)クリス・バヴォーネ著
12.赦し(4)矢口敦子著
13.告白(4)湊かなえ著
坂下さんの 「私のおすすめ」
『光陰の刃』西村健著・・・《権門上(かみ)に傲(おご)れども国を憂うる誠なし、財閥富を誇れども社稷(しゃしょく)を思う心なし》(昭和維新の歌)。1929年(昭和4)、アメリカに発したウォール街大暴落は地上全ての国家・民族を未曾有の世界恐慌へとたたき込んで行きました。欧米列強は自国の権益を守るためにアジア・アフリカ・南アメリカに確保していた植民地を囲い込んでのブロック経済を構築して行きました。資源を持たない日本にとっては、自由な世界貿易こそが国家としての生存を保証する手段でした。人種差別の撤廃、自由な国際貿易の実現、国際会議を通じての懸命の発言と説得はことごとく無視され拒否され続けた結果、国論は劇的なほど、白人列強に対応する大アジア主義・大東亜共栄圏構築へと突き進んでゆきました。
町の中には失業者があふれ、東北地方の農家では、相次ぐ冷夏のために大凶作に見舞われました。娘たちはその身を売られ、村役場には女衒(ぜげん)のための窓口さえ設けられたのです。兵営にあった農家の次男・三男坊たちは、故郷の妹の行く末を思い泣きました。
国策を誤り、紊乱するものは何者か!三井・三菱・住友・安田、国家革新の名の下に、政府・財界の要人はテロの目標とされ次々と凶弾に倒れて行きました。
団(だん)琢磨(たくま)は1858年(安政5)筑前の下級藩士に生まれました。開国した日本が世界の列強の中で生き残って行くために、鉱山学を学ぶべくアメリカへと渡ります。帰国後は、国策としてのエネルギー資源の開発のために、三池炭鉱の経営に当たりました。従来の納屋(なや)制度を全廃し、それまで過酷な労働環境・中間搾取に絡め取られていた炭鉱労働者を全て三井合名会社の正式社員として雇用する形としました。それにより社宅・水道・電気は全て会社負担とし、病院・子供たちの学校までも炭鉱の町の中に設立して行きました。
「安定した社会なくして経済の発展はなし」
「経済の発展なくして社会の繁栄はなし」
琢磨の一貫した主張であり、三井財閥の最高指導者の重責についても、それは全く変わることのないものでした。
しかし世界の動き・日本の立場はあまりにも苛烈なものでした。琢磨の身を削るばかりの思いは天に通じることなく、1932年(昭和7)、血盟団の若者により暗殺されました。
井上日召(にっしょう)は、1886年(明治19)群馬県医家のもとに誕生。幼い日から鋭い感性を持った少年であったようです。桔梗の花はなぜ青いのか、おみなえしの花はなぜ黄色なのか、そして自らが生きていること、生命の根源に存在の意味を問い続けました。周囲の大人たちに語りかけますが、うるさがられ邪険にされるばかりです。生まれ故郷を捨て、死に場所を求めて流浪します。船上から海中に身を投じ、死のうとしますが行商人に抱き留められます。大陸へと渡り辛亥革命のもと、銃弾飛び交う中に身をさらしますがやはり死ぬことができません。大アジア主義を掲げて、白人列強を相手に戦いを挑んでも人類の救済はあり得ません。
宇宙、森羅万象全てこれ一体と、日蓮宗の僧侶として出家し、井上日召と号しました。国を誤り、民草を塗炭の苦しみにさらし、要路にあるもの、今はその排斥こそが要諦である。胆力に優れた若者を見極め、拳銃を握らせ暗殺者として放ちます。しかしこの時井上日召は一つのことを厳しく言明しています。警護の警察官・身近にいる一般の民草を殺してはならない、怪我もさせてはならない。
不特定多数の人々を巻き込んだ無差別テロは絶対に許しませんでした。「一人一殺」の厳しい命令でした。多くの志士が昭和維新の大義の下に倒れていきました。にもかかわらず、歴史の流れはいかようにもなしえないものでした。国家総動員体制、日本もまた、人類がかつて経験したこともない未曾有の世界大戦へと巻き込まれていったのです。(点訳・音訳あり)
今年度5月から、ウォーキングクラブ開始します
これまで、会の行事として実施してきたウォーキングを、もっと気軽な健康維持のための活動として「ウォーキングクラブ」に衣替えします。これまでは、年6回テーマや場所を決めて集合し、昨年度はコロナ禍で食事はできませんでしたが、昼食持参で行ってきました。しかし、歩く距離が負担だったり、集合場所への移動が大変だったりという困難さや問題点も出てきましたので、今年度から、もっと身近な場所を健康維持のために各自のペースや脚力にあわせて歩きを楽しむという形にいたします。
活動日は、毎月第2・第4水曜日、サポートセンターにじに10時半集合で、12時には終了します。
活動開始は5月12日(水)です。関心のある方はぜひ第1回にご参加ください。参加はどなたでも自由ですし、クラブ活動にはいつからでも参加できます。申し込みなど、詳しくは来月号でお知らせいたします。
なお、今年は残念ですが、4月のお花見ウォーキングは中止といたします。
ウォーキングボランティア これまでの活動を振り返って
にじの会では、2008年からガイドボランティア講習会修了者の活動の場として、年に2~3回、あづま総合運動公園などでウォーキングを開始しました。その後、ウォーキングボランティアが中心になり、回数を増やしながらの準備期間を経て、2013年度から現在の形でスタートしました。この年の第1回活動は、23名のウォーキングボランティアと点訳・音訳のボランティアを含め31名となりました。
年6回の実施は、4月は桜を見るために第3水曜日とし、それ以外は第4水曜日としました。ウォーキングコースは、①歩行2時間(休憩を含む)、昼食1時間、計3時間以内、②歩行距離は5、6km以内、③トイレは洋式または多機能式が設置されているところをコース上に2カ所程度、④昼食の取れる施設がある(ウォーキングの途中の雨に対処)、⑤コース上の歩道に、歩道橋や横断箇所に信号の有無、その他危険な箇所がないか、以上の5項目を考慮してウォーキング先を決めました。
実施までの流れは、定例会で選んだウォーキング先をボランティア数人で上記の5項目をもとに下見します。下見で問題がなければ、にじの会全体の連絡会で承認を得て、具体的に進めます。ウォーキング先を再度数人のボランティアでコースの下見を行い、問題点が無いかチェックします。
このようにして、ウォーキングボランティア活動開始から昨年度までに実施したウォーキング先と、参考までに小旅行先もあわせて年度別にピックアップしてみました。
2013年 飯坂花ももの里、信夫山など、小旅行は浄土平ハイキング
2014年 大森城山、県立美術館見学など、小旅行は東京スカイツリー
2015年 福島競馬場見学、福島大学構内散策など、小旅行は那須高原
2016年 じょーもぴあ宮畑、福島民友新聞社見学など、小旅行は平泉中尊寺
2017年 福島地方裁判所、福島銀行本店見学など、小旅行は米沢上杉神社、高畑ワイナリー
2018年 福島日赤血液センター、弁天山と椿山など、小旅行は松島(福浦島、瑞巌寺)
2019年 岩谷観音、福島学院大学構内、福島市保健所見学など、小旅行は、キリンビール仙台工場、鐘崎笹かま館見学
2020年 ウォーキングは4月、5月は中止、6、7、10、11月は昼食を避け、午後からの実施となりました。小旅行は中止となりました。
今年度からは、サポートセンターにじを出発、到着地点にして、歩行距離や時間も各自のペースに見合ったコースを選べるようにしながら、毎月2回、ボランティアと共に楽しめるウォーキングにしたいと考えています。ウォーキングボランティアも多くのメンバーが参加するようにしてください。
短歌・俳句・川柳
柳沼友治さん(郡山市)
竣工や熱ほとばしる黒き土
菅野則夫さん(福島市)
子の笑顔続けと願う雛祭り
武田栄子さん(福島市)
病床の夫(つま)の頬(ほほ)に手を添えて
ひげ剃りあとにそっと触れたる
矢島秀子さん(南相馬市)
大地震ボリュームをあげ聞くラジオ
津波解除に深く息をつく
小板橋順二さん(猪苗代町)
久々にイエローフォールに立ち寄れば
滝のしぶきか粉雪が舞う
穴澤勲さん(会津若松市)
はや2月コロナ終息メドたたず
世界の今後どうなるニッポン
三浦寛さん(国見町)
潮薫る触れる彫刻温かい
塩屋を臨む兎渡路の館
谷田川正さん(郡山市)
春歩むトコトコトコと軽やかに
我が身弾みて靴音高し
JRPS福島から定期総会のお知らせ
東日本大震災から10年、そして先日の震度6強の大地震の被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
第15回定期総会を下記の通り開催いたします。多数の参加をお待ちしております
日時:5月16日(日)10:30~11:30
(受付 10:15~)
場所:福島市「アオウゼ」
MAXふくしま4階大活動室3
申込み先:090-7931-5984(携帯)
miura_164@docomo.ne.jp(メール)(三浦寛さん)
申込み締切:4月30日
※感染予防対策にご協力お願い致します。
お知らせ
●3月13日(土)JRのダイヤ改正が行われました。点字の時刻表を作成し、利用されている方にでき次第発送しています。点字の時刻表を新たに希望される方、また必要なくなった方も、にじの会へご連絡ください。
●点訳ボランティアは個別の点訳相談だけで、全体研修ができない状況になっていますので、今年度4月から、点訳・校正上の留意点など全体に関わるポイントを毎月発行し、事務局に1ヶ月間印刷物を置くとともに、ホームページの会員のページに掲載します。また、音訳・テキストデイジー・ウォーキングボランティアのための連絡事項も、今年度からこれまでよりきめ細かく掲載しますので、各ボランティアは随時確認するようにしてください。(ID・パスワードが不明な方は事務局にお問い合わせください)
点字図書差し上げます(3)
貸出図書整理のため、ご希望の方に差し上げます。事務局までお申し込みください。お申し込みがあり次第、先着順で差し上げます。図書は、すべてひもとじです。カッコ内は巻数。今年度は以上です。
1.高血圧を下げる生活事典(5)島田和幸監修
2.昭和の贈り物(6)川内清隆著
3.チベット受難と希望(6)ピエール・A・ドネ著
4.パイプのけむり選集「食」(2)団伊玖磨著
5.フランシス・キング短編傑作集(7)
6.トップサイエンティスト(5)ニュートンプレス
7.むかしの山旅(5)今福竜太編
8.ある検事の告発(5)三井環著
9.和泉式部日記(5)川村裕子編(製本)
10.この人なり・宮城道雄伝(15)吉川英史著
11.ルクセンブルグの迷路(8)クリス・バヴォーネ著
12.赦し(4)矢口敦子著
13.告白(4)湊かなえ著
坂下さんの 「私のおすすめ」
『光陰の刃』西村健著・・・《権門上(かみ)に傲(おご)れども国を憂うる誠なし、財閥富を誇れども社稷(しゃしょく)を思う心なし》(昭和維新の歌)。1929年(昭和4)、アメリカに発したウォール街大暴落は地上全ての国家・民族を未曾有の世界恐慌へとたたき込んで行きました。欧米列強は自国の権益を守るためにアジア・アフリカ・南アメリカに確保していた植民地を囲い込んでのブロック経済を構築して行きました。資源を持たない日本にとっては、自由な世界貿易こそが国家としての生存を保証する手段でした。人種差別の撤廃、自由な国際貿易の実現、国際会議を通じての懸命の発言と説得はことごとく無視され拒否され続けた結果、国論は劇的なほど、白人列強に対応する大アジア主義・大東亜共栄圏構築へと突き進んでゆきました。
町の中には失業者があふれ、東北地方の農家では、相次ぐ冷夏のために大凶作に見舞われました。娘たちはその身を売られ、村役場には女衒(ぜげん)のための窓口さえ設けられたのです。兵営にあった農家の次男・三男坊たちは、故郷の妹の行く末を思い泣きました。
国策を誤り、紊乱するものは何者か!三井・三菱・住友・安田、国家革新の名の下に、政府・財界の要人はテロの目標とされ次々と凶弾に倒れて行きました。
団(だん)琢磨(たくま)は1858年(安政5)筑前の下級藩士に生まれました。開国した日本が世界の列強の中で生き残って行くために、鉱山学を学ぶべくアメリカへと渡ります。帰国後は、国策としてのエネルギー資源の開発のために、三池炭鉱の経営に当たりました。従来の納屋(なや)制度を全廃し、それまで過酷な労働環境・中間搾取に絡め取られていた炭鉱労働者を全て三井合名会社の正式社員として雇用する形としました。それにより社宅・水道・電気は全て会社負担とし、病院・子供たちの学校までも炭鉱の町の中に設立して行きました。
「安定した社会なくして経済の発展はなし」
「経済の発展なくして社会の繁栄はなし」
琢磨の一貫した主張であり、三井財閥の最高指導者の重責についても、それは全く変わることのないものでした。
しかし世界の動き・日本の立場はあまりにも苛烈なものでした。琢磨の身を削るばかりの思いは天に通じることなく、1932年(昭和7)、血盟団の若者により暗殺されました。
井上日召(にっしょう)は、1886年(明治19)群馬県医家のもとに誕生。幼い日から鋭い感性を持った少年であったようです。桔梗の花はなぜ青いのか、おみなえしの花はなぜ黄色なのか、そして自らが生きていること、生命の根源に存在の意味を問い続けました。周囲の大人たちに語りかけますが、うるさがられ邪険にされるばかりです。生まれ故郷を捨て、死に場所を求めて流浪します。船上から海中に身を投じ、死のうとしますが行商人に抱き留められます。大陸へと渡り辛亥革命のもと、銃弾飛び交う中に身をさらしますがやはり死ぬことができません。大アジア主義を掲げて、白人列強を相手に戦いを挑んでも人類の救済はあり得ません。
宇宙、森羅万象全てこれ一体と、日蓮宗の僧侶として出家し、井上日召と号しました。国を誤り、民草を塗炭の苦しみにさらし、要路にあるもの、今はその排斥こそが要諦である。胆力に優れた若者を見極め、拳銃を握らせ暗殺者として放ちます。しかしこの時井上日召は一つのことを厳しく言明しています。警護の警察官・身近にいる一般の民草を殺してはならない、怪我もさせてはならない。
不特定多数の人々を巻き込んだ無差別テロは絶対に許しませんでした。「一人一殺」の厳しい命令でした。多くの志士が昭和維新の大義の下に倒れていきました。にもかかわらず、歴史の流れはいかようにもなしえないものでした。国家総動員体制、日本もまた、人類がかつて経験したこともない未曾有の世界大戦へと巻き込まれていったのです。(点訳・音訳あり)