にじ299号

  平成29年度総会のお知らせ

 平成29年度のにじの会総会を行います。1年の活動方針を審議する大事な会議ですので、ボランティア会員の皆さんの出席をお願いします。
 日時:平成29年4月15日(土)
 会場:福島視覚情報サポートセンターにじ
     2階 会議室
 議事:
 1.平成28年度活動報告
 2.平成28年度収支決算報告
 3.監査報告
 4.平成29年度活動計画(案)
 5.平成29年度予算(案)
 6.その他

 当日、どうしても都合がつかず欠席される方は、同封の委任状を必ず提出してください。

     3月のヨーガ教室

 日時:3月22日(水)10:00~12:00
 会場:サポートセンターにじ2階 会議室
 講師:日本ヨーガ療法学会 今村幸子先生
 参加費:無料
 今冬、最後のヨーガ教室です。4月からのウォーキングを快適にこなすために、体を整えて準備しましょう。参加希望の方は事前にお申し込みください。

       4月からはウォーキング

 4月からは毎月1回第4水曜日にウォーキングを行います。福島市内の散策や施設見学など、バラエティに富んだコースを計画していますので、どうぞご期待ください。
 4月は、19日(第3水曜日)に信夫山のお花見と散策です。集合場所など、詳しくは次号でお知らせします。

     点字講習会を受講して

 今年も講習会を受講して、入会された新しい仲間が増えました。点字講習会を受講して、点訳ボランティアを目指すお二人の感想をご紹介します。

    齋藤浩美
 私が点字講習会を受講したいと思ったきっかけは、盲導犬ユーザーさんから名刺をいただいたことです。その名刺には、笑顔のユーザーさんと盲導犬の写真、そして墨字と点字でお名前などが書かれてありました。それまで点字に触れる機会はあまりありませんでしたので「パートナー○○○」と盲導犬の名前が読めたときには犬好きの私は感激いたしました。
「ちょっとやってみたいなあ」という気持ちではじめてみたものの、点字の学習は難しく覚えられずに苦労しております。これを目の見えない方、見えづらい方が学ぶことも大変なご苦労がおありだと思いますが、また本を読むなどの楽しみもおありだと思います。点訳できるようになるまでまだまだ時間がかかるかと思いますが、これからの私自身の人生の勉強として続けていきたいと思います。

               飯野栄子
 トイレや駅や飲料水や家電、あらゆるところで目にしている点字。「どんなものだろう読めたらいいな」とそんな気持ちで入門コースに申し込みました。初めて打った仮名、初めて読めた仮名は感激でした。でも今は6点だけで全ての文字や数字を表す点字の難しさと奥深さを痛感しています。仮名だけの文だから読みやすくするための分かち書き、講習を思い出し、本とにらめっこ・・・もっともっと勉強しなければとうてい理解できません。それでも講習会で学んだことを基礎にこれから点字のルールをしっかり覚え、経験を積んでいけば、もしかしたらパソコン入力まで行けるかもしれません。そしたら1冊の本の点訳だってできるかもしれません。せっかく受講した点字講習会、弱音を吐くこともあるけど、もう少し頑張ってみようと思います。

福島県ロービジョンネットワーク第19回フォーラムのご案内

 今回は、視覚障害のみならず聴覚にも障害を持つ盲ろうの方のコミュニケーション法について学びます。
 ご講演は、16歳で神経繊維腫症という難病により聴覚・肢体・視覚に障害が現れ、現在は全盲・全ろうに加え、右手に障害があり、歩行にも困難を伴う荒美有紀さんです。盲ろう障害となられた経緯、そこからの立ち上がり、現在の活動の様子などをうかがい、盲ろうの方のコミュニケーション法である指点字とはどのようなものかも学びたいと思います。
 日時:3月19日(日)10:00~12:45
 会場:郡山市 総合南東北病院 大講堂
 テーマ:盲ろうの世界とコミュニケーション
  講演「ヘレン・ケラーになった女子大生(仮)」
    講師 東京盲ろう者友の会理事 荒美有紀氏
  指点字講習会
 参加費:500円 (事前申し込み不要)
 機器展示も予定しています。

     短歌・俳句・川柳

           柳沼友治さん(郡山市)
大わらじ蟻が獲物を運ぶごと

           丹治恵子さん(福島市)
目に浮かべ香り楽しむ梅の花

           矢島秀子さん(南相馬市)
太陽の路上に映す我の影
      背すじのばせとこの身をつつむ

穴沢勲さん(会津若松市)
知り合えば明日は我が身と置き換える
人生悩み人間模様

           三浦寛さん(国見町)
耳すまし桜の小枝にたずねても
      まだまだ聞こえぬ春の足音

           宮崎英幸さん(福島市)
手探りに足の爪切り血を流す
      たしなめられしに性懲りもなく

           谷田川正さん(郡山市)
節分会(せつぶんえ)声を張り上げ邪鬼払う
      豆で健やか明日は春なり

           武田栄子さん(福島市)
早春の箱根駅伝にわくわくと
      心ときめきテレビに釘づけ

     パソコンクラブのご紹介

 パソコンクラブは毎月第1・第3火曜日の10時から午前中、サポートセンターで活動をしています。2月現在で定期的に参加しているメンバーは、ボランティアを含めて10名です。
 それぞれに操作の疑問を教え合ったり、ネットの利用法を勉強したりしています。にじの会のホームページに会報「にじ」をアップする作業もしています。
 さらに、文字入力の正確さや、メールでの投稿などの技術力アップもかねて、川柳作りにも挑戦を始めました。「短歌・俳句・川柳」のコーナーに毎号投稿を目指しています。
 パソコンクラブは、毎回ではなく疑問点が出てきたときだけの参加ももちろんOKです。またスマートフォンやタブレットの操作も一緒に体験できます。
 関心のある方、一人でやっていると未解決な操作が少しずつ積み重なってしまうと思っている方、どうぞお気軽に参加してください。
 体験用のパソコンはありますが、基本的にはご自分のパソコン・スマホなどをご持参いただきます。
 サポートセンターでは、ほかに、毎週水曜日にチャレンジクラブがあり、手工芸品作りを楽しんでいます。毎月第3木曜日には「フラサークルにじ」がフラダンスのレッスンをしています。
 また、あらたにサウンドテーブルテニスも月曜・金曜に楽しめるようになりました。

  お知らせ
● 内閣府政府広報室発行の政府広報誌「ふれあいらしんばん」(点字・大活字)、「明日への声」(音声CD)をご希望の方にお送りできます。点字版は2名の方に限ります。ご希望の方はにじの会までご連絡ください。A4版で26ページ、CDはデイジーではありません。医療・福祉・税・防災などの情報がわかりやすく掲載されています。CD版にはそのほか「小倉百人一首を楽しむ」「ジャズを楽しむ」などの記事もあります。

● 29年度の点訳・音訳・ウォーキングボランティアの各講習会の日程が決まりました。一緒にボランティア活動をしてくださる仲間が一人でも増えるよう、皆さん、お知り合いの方にぜひ声を掛けてください。
 ウォーキングボランティア講習会 5月10日~5月31日(水)全4回
 音訳講習会 6月6日~7月11日(火)全6回
 点字講習会 9月6日~1月17日(水)全18回
 詳しくお知りになりたい方は事務局までお問い合わせください。

● 「日本の点字41号」が発行されます。今号の内容は、「日本点字委員会創立50周年記念特別講演会記録」「点字とJISとISO」「日本点字委員会第52回総会並びに研究協議会議事録」などです。点字版・墨字版同価格で600円です。

    坂下さんの 「私のおすすめ」

『合気の武田惣角(そうかく) 武蔵を超えた男』池月映著・・・近代日本が生んだ謎の武芸者・武田惣角は、会津坂下町に安政6年(1859)10月10日誕生、昭和18年(1943)4月25日没。享年84。父親は会津藩士・武田惣吉。力士隊を指揮して会津戊辰戦争に参戦。
 幼い日の惣角はその父親の姿とともに会津藩の滅び行く有様をつぶさに見つめ続けていたようです。身の丈150cmという小兵ながら極めて勘働きの鋭い少年であったようです。幼少期から相撲・柔術・宝蔵院流槍術・小野派一刀流剣術を学び、達人の域に達し「会津の小天狗」と称されていました。一方学問には全く関心を示さず、いたずらが過ぎて寺子屋から追放されるというやんちゃもやらかしていたようです。
 その後、会津藩に秘伝・御留業(おとめわざ)として伝えられていた大東流合気柔術を筆頭家老・西郷頼母により伝授されたとの説が残されています。そしてこの武術を生涯にわたり磨き上げ沖縄から北海道まで流浪し名だたる武芸者を訪なっては試合を挑み、あるいは荒くれどもを相手に死闘を繰り返し、一度たりとも敗れることはなかったと言います。剣豪・宮本武蔵をもすでに凌駕したと著者は断言しています。
 その生涯にわたり己の道場を持つこともなく、流派を立て宗家を名乗ることもなくひたすら求道者としてのみ生き続けました。そのような中でも志を立てて訪れる者にはその技を伝授したと言われます。それら後進の中から後に世界に合気道を広めた植芝盛平・大東流合気術を唱えた佐川幸義(ゆきよし)といったすぐれた武術家が輩出しています。
 この武田惣角というなんとも不可思議な武術家については本書の著者以外にも津本陽・夢枕獏・今野敏、さらには数学者の木村達雄といった一流の書き手たちが健筆を振るっています。坂下もこの人物には尽きせぬ興味を持ち続け、これら優れた著述家により記された書物を読みあさりました。
 その中に実に不可思議なことが記されています。
 大東流合気術・佐川幸義師範の道場でのこと。取材に訪れていた作家の手のひらで、空手世界大会優勝者・タイトル保持者の正拳突を受けると言うのです。
 これは無謀です。素人の手の骨などあっさりと砕かれてしまい一生涯使い物にならなくなります。このとき大東流合気術の高段者が作家の背後に回り肩甲骨の付近に手のひらをかざしこの恐るべき正拳突を受けたと言います。その結果何の差し障りも残らなかったと実体験を記録しています。
 著者は福島県内郡山市在住。十数年にわたり、会津に残された史実を記録した資料を丹念に渉猟したと言います。この謎に満ちた武道家・武田惣角の生涯を鋭い筆致でたどり、描き上げて行きます。そしてそれと同時に幼くしてはやり病で盲目の身となった双子の妹・おまんとの純真・親密な愛情もまた細やかな筆致で捕らえて行きます。
 これらを物語として描き上げて行く中で著者は目の不自由な読者の存在を常に考え続けていたと語っておられます。(音訳あり・点訳着手)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

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