にじ326号
6月のウォーキングは笹木野に伝わる伝説の地を散策
6月のウォーキングは、サポートセンターにじをスタートし、ウォーキング道路や田んぼ道、りんご・なし・ももなどの果樹畑の傍を通りながら笹木野の王老杉稲荷(おろすぎいなり)、小針地蔵尊を訪ねます。王老杉稲荷、小針地蔵尊は、昨年10月に訪れた「密語橋(ささやきばし)」に使用された大杉に纏わる伝説の場所です。
日にち:6月26日(水)
集合:サポートセンターにじ 11:00
解散:サポートセンターにじ 14:00
昼食と飲み物は各自でご持参ください。昼食はサポートセンターにじ2階会議室で食べます。
なお、雨天・強風の時は、サポートセンターで、グループに分かれ、サウンドテーブルテニスやミュージックベルなどの体験会を行います。
2018年度の活動報告
昨年度のにじの会の主な活動内容をお知らせします。
1 交流活動(参加者)
交流会 9月2日 80名
バザー(夏・秋)7・8・11月 291名
小旅行 10月5日 46名
ミニ交流会 8月20日 21名
ウォーキング
4月18日 阿武隈川畔 32名
5月23日 あづま総合運動公園 23名
6月27日 信夫山 33名
7月25日 日赤福島県支部 23名
10月24日 隈畔沿いの歴史 22名
11月28日 弁天山・椿山 28名
ヨーガ教室 12月~3月 4回 29名
パソコンクラブ 月2回 20回 145名
フラダンス教室 月1回 162名
チャレンジクラブ 49回 383名
卓球台使用 108回 541名
ミュージックベルクラブ 4回 33名
2 支援活動
a.個人への支援活動
歩行訓練 年間2時間×21回 7名
白杖体験会2回(福島市・南相馬市)12名
パソコンボランティア 個別対応 2回
点字学習サポート 228回 8名
対面音訳 77回 154時間
代書サービス 13回
外出サポート(個人) 55回 7名
日常生活用具申請 11件
便利グッズ 60件 85点
b.他機関・団体行事等への協力
サウンドテーブルテニス活動手伝い
福島市視覚障害者福祉協会行事
歩行訓練と生活訓練を願う当事者の会
3 情報収集支援のための点字化・音声化活動
(1) 図書製作数(タイトル)
点訳 234 632巻 61,482頁
音訳 32 279時間34分
テキストデイジー 25 5,707頁
テキストデータ 4 881頁
墨訳 24 145頁
(2) 貸出数(タイトル)
デイジー図書 1,118
点字図書 120(385巻)
逐次刊行物(雑誌) 192
(3) サピエ図書館活動(タイトル)
点字データ ダウンロード 5,063
データアップ 142
音声デイジー ダウンロード 4,908
データアップ 7
テキストデイジー ダウンロード 732
データアップ 25
(4) 時刻表(2019年3月 改正版)
福島県内版 20部
郡山版 15部
プライベート版 39部
東海道新幹線 9部
(5) プリント・ダビング数
テープダビング数 1,429本
点字プリント数
166,820枚 322,932頁
4 視覚障害者福祉の啓発・普及
(1) 会報「にじ」の発行(313号~324号)
墨字版 280部
点字版 162部
テープ版 22本
CD版 50枚
メール配信 38人
(2) 登録数
利用者 398人
ボランティア 140人
賛助会員 個人 70人 団体 3団体
(3) 点字体験・ガイド体験、点字の普及活動
体験人数 約1,700人
「ふれあい広場」「ふれあいのつどい」
小中学校福祉体験など
短歌・俳句・川柳
柳沼友治さん(郡山市)
最新の機械五月雨苦にもせず
菅野則夫さん(福島市)
チコちゃんに叱られ謎が一つ解け
宮崎英幸さん(福島市)
新しき元号「令和」を祝(ほ)ぎにつつ
旅人(たびと)の歌を口ずさみたり
武田栄子さん(福島市)
春雨に木々の新芽も青々と
五月の空の光りの中に
矢島秀子さん(南相馬市)
午前零時静寂(しじま)の中に正座せぬ
令和の時代穏やかにあれ
谷田川正さん(郡山市)
施行せし新元号の令和にて
想い改め余生生き抜く
三浦寛さん(国見町)
逝く元号 民のもとに ひざまずき
幸せ願った 生涯は 心ひとつで 惜しむ声
穴沢勲さん(会津若松市)
滝桜失明しての家族連れ
頭に浮かぶ見えてた時代
小板橋順二さん(猪苗代町)
この春も花に会えし会津野は
白く輝く神住む嶺(やま)みゆ
山本敦士さん(伊達市)
万葉の香りをのせて開きたる
令和の瑞穂光り輝く
岩谷観音・磨崖仏群
福島市 宮崎英幸
整備され綺麗になりし祓川に
目高泳ぐとボランティア言へり
人工の小(ち)さき滝の音聞きにつつ
岩谷観音の上り口に向く
吾が町の信夫山上り見(まみ)えたり
岩谷観音・磨崖仏群
喘ぎつつ引かれ上りし百十段
岩谷観音の展望に立つ
目と鼻は摩滅したるに口開けて
何訴うるこの磨崖仏
歩行訓練と日常生活訓練を願う当事者の会からのご報告
昨年9月から、当事者の会の署名活動にご協力いただきまして、ありがとうございました。
先日、3月3日の総会において、ボランティアの方にお手伝いいただき署名のとりまとめを行いました。その結果、県民の皆さまから18,829筆の署名を預かることが出来ましたことを、皆様にご報告し御礼申し上げます。ありがとうございました。
預かりました署名は、5月20日に、福島県庁において、提出する運びとなっております。
また、署名提出後の意見交換においても、一万八千を超える皆様の熱い思いを伝えたいと考えております。今後とも、当事者の会の活動にご協力の程よろしくお願いいたします。
※ 4月下旬にいただいたお便りです。すでに県への提出や意見交換は済んでいるとのことですので、またその結果などもお知らせいただきたいと思います。
お知らせ
●日本盲導犬協会スマイルワンから盲導犬体験歩行会のお知らせです。街中を盲導犬と風を切って歩く体験をしてみませんか?盲導犬訓練士や盲導犬ユーザーがあなたのギモンに答えます。
開催日時 6月15日(土)~6月16日(日)
7月 4日(木)~7月 5日(金)
*各回とも10時開始、12時終了予定です。体験会に参加が難しい方は個別での対応も致します。
会場:仙台訓練センター(スマイルワン仙台)
対象:東北及び新潟にお住まいの見えない・見えにくい方
定員:4名
参加費:無料
1日目の昼食・夕食、2日目朝食はこちらで準備いたします。 会場までの往復の交通費はご負担ください。仙台駅までの送迎は可能です。前日泊、家族での宿泊も可能です。
問合せ・申込み:スマイルワン仙台ユーザーサポート部 TEL:022-226-3910
●にじの会では、点字用のバインダーの経費を長年、通常サイズ360円、Lサイズ450円に据え置いていましたが、このたび購入先のバインダーが値上げとなりましたので、しおり、タックペーパー代なども見直し、以下のように経費を変更させていただきます。
通常サイズのバインダー 400円
Lサイズのバインダー 550円
どうぞよろしくお願いいたします。
坂下さんの 「私のおすすめ」
『人類滅亡小説』山田宗樹著・・・今までも人類滅亡・日本消滅・地球崩壊といった主題を取り上げて、たくみに物語を構築してゆく作品が数多く発表されてきました。今回取り上げたこの作品には、今までにはなかった新しい視点設定からの作品構築がございます。
太古の時代から繰り返されてきた地球気候・大気循環、消えては現れる雲海、その中で生命活動を営んできた数知れぬ微生物の群れ、それがある時期より大量に酸素を消費し炭酸ガスを排出し始めます。そして、それらは人間の目には不気味な、紅の雲として認知されるようになります。さらにそれらの微生物が指数関数的に爆発的に増殖し、生物としての営み・新陳代謝を繰り返すことにより大量の硫化水素を排出するに及びます。炭酸ガス・硫化水素の排出は人類生存に取っては言うまでもなく、生命維持に取って致命的なものとなります。最初は単発的に、やがては大量の犠牲者を数えるようになります。今現在の人類の知性・科学技術では、いかようにもなしえないことが明らかとなります。そのような中で人間はどのように考え行動し、生きてゆくのか。
初期段階では紅の雲海の発生・炭酸ガス・硫化水素の地表への降下を予報し、簡易な待避壕への一時避難によりとりあえずの対策は講じられていました。
知性と強固な意識を持つ者は、国家機関の中で人類の生き残りをかけて懸命に模索します。自暴自棄となったものは刹那の世界へと逃避します。またある者たちは虚言妄想に絡め取られ、ばかばかしい宗教世界へと引きずり込まれてゆきます。またある者たちは、これが地球上・自然界の営みであり理であるならば、それらの事象に呼応し人類もまた滅び去ってゆくことこそが自然の摂理に随うことなのではないのか。その必然の結果として、懸命に生き残りをかけて講じられる手立てをあらゆる手段を用いて破壊し、妨害する挙に打って出ます。
その中で理性を保ち未来を見据えた少年少女たちは、人類の種を僅かにでも残すために方策を講じます。完全密閉型・核エネルギーを用い、数百年から数千年は人間の生活環境を維持できる巨大待避壕の建設。そして天文観測の結果、太陽系外に存在すると思われる地球型惑星へ向けて、人類の遺伝子情報を載せた宇宙船を送り出します。その中にはさらに、太陽系第3惑星地球に存在し、繁栄を見、そして気象変動により滅び去って行かなければならなかった人類の栄光と挫折の記録もまた搭載されました。やがて密閉待避壕の完全閉鎖とともに、地球大気は炭酸ガスが高密度となり、人類のほとんどは死滅します。そして閉鎖空間の中で生き残りをかけた選び抜かれた人たちもまた、子孫を残しつつもやがては必然的に死滅してゆきます。
本作品最終章は実に印象的なものでした。
太陽系外惑星にごくごく僅かな可能性にかけて送り出された人類の生物情報。その種子から発芽し進化した新人類。科学技術を会得したとき、その惑星環境の中に存在する多種多様な生物の遺伝子形質と人類の遺伝子形質のあまりの相違に困惑し、戸惑いさえ覚えます。そして人類進化の過程で語り継がれた神々の伝説・壮大な物語、それらの古文書の中には遙かな宇宙の彼方・母なる惑星の環境変動により、悲しくも滅び去ってゆかなければならなかった旧人類のありさまがまざまざと描かれていたのです。その神話的な歴史物語が明らかとなり悠久の歴史を知った時、高度に発達した新人類は、遙かなる母なる惑星・地球へと探査宇宙船を発信し、レーザー通信を用いて接触を試みます。
そしてそこに、激烈な気象変動により滅び去ってゆかなければならなかった旧人類の紛れもない痕跡を見て取ることができたのです。(音訳あり、点訳着手)