にじ322号

2019年の活動がスタートしました。今年は、元号が変わることに伴う諸行事が行われ、今年だけのお休みも多いようです。普段の活動にできるだけ影響しないように、ボランティア・事務局ともに健康に留意しながら、頑張りましょう!
来年度の行事予定を検討する時期になりました。交流会や小旅行などのアイデア、ウォーキングの候補地などのご希望があればぜひお寄せください。皆さんのご意見をお聞きしながら計画を立てていきたいと思います。
今年も1年変わらずにどうぞよろしくお願いいたします。

2月のヨーガ教室

2月のヨーガ教室は、2月27日(水)午前10時からです。寒さ厳しい中、体の中から温め、体調を整えましょう。参加をお待ちしています。

盲導犬体験歩行会のお知らせ

日本盲導犬協会スマイルワン仙台では1泊2日で盲導犬とあるき、一緒に生活する体験会を行っています。街中を盲導犬と風を切って歩く体験してみませんか?盲導犬訓練士や盲導犬ユーザーがあなたのギモンに答えます。
開催日時:第8回 3月9日(土)10時から
3月10日(日)12時まで
*今年度最後の回になります。ぜひご参加ください。体験会に参加が難しい方は個別での対応も致します。まずはご相談ください。
会場:仙台訓練センター(スマイルワン仙台)
対象:東北及び新潟にお住まいの見えない・見えにくい方
定員:4名
参加費:無料
1日目の昼食・夕食、2日目朝食はこちらで準備いたします。 会場までの往復の交通費はご負担ください。仙台駅までの送迎は可能です。前日泊、家族での宿泊も可能です。
問い合わせ・申し込み:日本盲導犬協会
スマイルワン仙台 ユーザーサポート部
〒982-0263 仙台市青葉区茂庭字松倉12-2
TEL:022-226-3910

情報コーナー

レインシュシュ【濡れた傘のポタポタ防止に】
NHKまちかど情報室のおすすめ商品、「傘のマナーグッズ」です。
マイクロファイバー製の可愛いシュシュを傘の下先から通すと、濡れた傘の水滴を拭くことができます。傘の下先につけた状態にすると、傘から垂れるポタポタを防止します。傘のハンドルにつけると、傘の目印になります。色は、グリーン・ピンク・ブルーの3色。
価格は400円。サポートセンターにあります。

短歌・俳句・川柳

丹治恵子さん(福島市)
バス降りて目的地まで一人旅

宮崎英幸さん(福島市)
冬枯れの街路樹あゆみて花水木の
枝に生(は)へたる葉芽に手(た)触れぬ

武田栄子さん(福島市)
夫(おっと)と我共に歩み来て五十年(いそとせ)
夫(つま)の介護に追われる日々に

小板橋順二さん(猪苗代町)
蝋(ろう)梅(ばい)の香りほのかと浜便り
雪の里には春まだ遠し

矢島秀子さん(南相馬市)
芋がらに塩びき届く年の瀬よ
日向の匂う昭和の懐かし

谷田川正さん(郡山市)
干支猪年(いどし)猪突猛進のみならず
瓜坊可愛いや心和まん

穴沢勲さん(会津若松市)
雪道を歩いて参道厳かに
今年の干支は猪突猛進

清野隆一さん(郡山市)
降る雪は上る湯気にて雨となり
我が身を叩く除夜の祝福

三浦寛さん(国見町)
泪して絶叫アナウンス箱根のドラマ
見えぬ画面にこぶしで応援

椿(つばき)館(だて)
福島市 宮崎英幸
ボランティアに引かれて歩む傍らを
黄の蝶一つ飛びゆくと言ふ
散り敷ける落ち葉踏みつつ歩めるに
足裏(あうら)に感ず団栗の実
安寿姫と厨子王ゆかりの吾が町の
椿館の碑文なぞりぬ
「山椒大夫」の映画に涙流し見き
中学二年の思ひ新たに
舟(しゅう)運(うん)の盛むなりにし舟場町に
まつはる悲劇の安寿姫と厨子王

点字 ○新 情報

『点訳のてびき第4版』が発行になりましたので、にじの会では、第4版に従って点訳を行います。ただ、各施設・団体の中には、現在校正中の図書はこれまでのルールで仕上げる所もありますので、「サピエ図書館」に登録される図書が、完全に4版に移行するのは、2020年度からになります。
今回から、新しい記号類以外に特に変更になった点をお知らせします。
アルファベットの中で、2重大文字符で表される略字の後ろに小文字のアルファベットが付いているときの書き方が変わります。
CDsのように、複数のCDを表す場合、これまでは、「外字符、大文字符C、大文字符D、s」と書いていましたが、これからは、「外字符、2重大文字符CD、⑤⑥の点s」となります。たとえば、今話題になっている国連の「SDGs」(持続可能な開発目標)は、「外字符、二重大文字符SDG、⑤⑥s」となります。後ろの小文字が複数の場合「ATPase」
(ATPアーゼ、ATPを加水分解する酵素)も、「外字符、二重大文字符ATP、⑤⑥ase」と書きます。医学書や専門書の薬品名やネット関係の略語に多いのですが、覚えておくと便利です。

小椋さんの私のおすすめ

『石井のおとうさんありがとう 石井十次(じゅうじ)の生涯』和田登著・・・「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」(マザー・テレサ)。日本の明治時代を生きた石井十次は、これに似た言葉を残している。
私が彼と出会ったのは、「石井のお父さんありがとう」という本のなかだった。石井十次とは、明治時代日本初の孤児院である岡山孤児院を創立したことから、「児童福祉の父」と呼ばれるようになった人物である。彼は、医師になるための勉学に励んでいたある夜、子どもを預かり育てて欲しいと家を訪ねてきた見知らぬ貧しい母親の願いを聞き入れ、彼女の息子「定一(さだいち)」を引き取った。この噂を聞いた当時の貧しい子どもたちは、次々と石井の家に連れて来られた。彼と実の妻「品子(しなこ)」は、そんなたくさんの子どもたちを育てることを決心し、石井はとうとう医学校を中退する。
子育てに追われる中、彼らはある一つの考えを持つ事になる。それは、今は一緒に生活している子どもたちがいつか大人になった時、彼らは自分の力で生きて行かなくてはならない。それなら今から「教育」を受けさせ、そのための力を付けさせなければならないのではないかという思いであった。その後、石井と妻は、子どもたちに教育を受けさせるという思いつきを実行に移し始める。自分たちの生活を切り詰めながら、貧しい子どもたちに勉強を教え、より大きな子どもたちを学校へ通わせた。こうして、次第により多くの子どもたちを世話するようになった石井は、とうとう岡山孤児院を創立することとなった。
48歳でこの世を去った石井は、「草は枯れ、花は散るが、後には子どもたちが残ってくれる」という言葉を残した。ここには、孤児院の子どもたちを我が子同然に扱い、誇りとしていた彼の気持ちが表れている。彼が生前、実の子の誕生と同時に、孤児院の子どもたちにも彼ら夫婦を父・母と呼ばせるようになったという記述も残されている。岡山孤児院で元気に育った子どもたちこそ、彼が生きた証と言えよう。
もちろん、石井や彼の妻、たった二人だけの力で孤児院が成り立っていたのではない。彼らが最も大きな尽力となって支えていたことは言うまでもないが、そこには他にも多くの人々の活躍があった。たとえば、施設内を清掃し、衛生面での支援を施していた人々、また子どもたちの良き話し相手となっていた人々、それに教育者として子どもたちと関わったのは石井だけではなかった。さらには、たくさんの寄付や支援物資の配給により、孤児院を支えた人々も数え切れない。
孤児院を創立したとはいえ、当時の多くの国民と同じように、石井らも物質的には決して裕福とは言えなかった。そんな中で子どもたちを育て、教育しなければならないのだから、当然多くの人からの資金や物資の支援が必要であった。そのため、石井が国民に呼びかけた言葉は、現代の私たちにとっても重く受け止めなければならないものだ。「皆さん、世の中にはこのような孤児と呼ばれる子どもたちが、たくさんおります。それを無関心に放っておいて良いものでしょうか。我々大人たちが手をさしのべることによって、孤児たちは天性の力を発揮することができるのです。また、親のない孤児よりもっと可哀想なのは、精神の孤児でもあります」。
明治時代に一人の男がこれをなしとげられたのに、今の日本は子どもの貧困という問題を解決出来ていない。「赤ちゃんポストはそれでも必要です」という本の中では、日本ではあまり良い印象が持たれていない赤ちゃんポストが、ドイツでは「ベビークラッペ」という名で親しまれ、国のあちこちに設置されていることが記述されていた。これは、胎児の生存権が憲法で規定されているドイツでは、生まれた子を国全体で育てていこうという思いが根強いからなのだそうだ。日本が少子化であったり、子どもを貧困から救えなかったりする理由の一つがこれであると確信した。国が一体となり、子育てを支援する必要があるのだろう。一人一人が他者に関心を持つことで、日本はそして世界は平和になるのであろうということを強く感じさせてくれる1冊だった。(点訳あり)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

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