にじ310号

    チャレンジクラブ やったぁ!! 福島市長賞

 12月8日~10日に開催された「福島市福祉作品展」でチャレンジクラブの出品作品「点字でくるくるももりん」が福島市長賞を獲得しました。
 初出品から4年目の快挙です。4年間点字用紙にこだわった作品を製作し続けましたが、今回は、点字用紙を何種類かの高さに切り、それをしっかりと固く筒状に丸め、ももりんの形にびっしりと貼りました。立体感ある3羽の可愛いももりんができあがりました。チャレンジの6人のメンバーそして3人のボランティアに拍手です!!
 作品と市長賞の楯は事務室に飾ってありますので、来館された折にどうぞじっくりとご覧ください。

    2月のヨーガ教室

 2月のヨーガ教室は2月28日(水)10時から12時です。毎回参加の方はお忘れなく。新たな参加者もお待ちしています。2時間で気持ちも体もすっきりしますよ!

    ボランティア交流会

 にじの会で活動するボランティア全体の交流会を行います。
 それぞれの活動の中では顔を合わせていますし、毎月のウォーキング・小旅行・バザーなどで一緒に楽しむことはありますが、お互いの活動状況について情報を交換する機会はなかなかありません。
 昨年度はインフルエンザの流行で残念ながら中止にせざるをえませんでしたので、ここ2年ぐらいの間に入会された方は、特に参加をお待ちしています。
 各活動内容の紹介、情報交換、懇談を行います。
 日時:2月24日(土)13:00~15:00
 会場:コラッセふくしま 4階 402会議室
 準備の都合上、参加者は22日(木)まで事務局にお申し込みください。

    短歌・俳句・川柳

谷津フク子さん(郡山市)
宮参り母とつないだ手のぬくみ

           菅野則夫さん(福島市)
掃除機がクリーンクリーンと追い回す

           山本敦士さん(伊達市)
神棚に達磨を飾る孫たちに
      明日は立てよと心で祈る

           宮崎英幸さん(福島市)
孫尚大(しようた)の大学受験の合格を
      吾は祈願す天満宮に

           穴沢勲さん(会津若松市)
ピロリ菌初めて嘗める麻酔薬
      スルスル入る内視鏡の目

           三浦寛さん(国見町)
初春の箱根のドラマ今年も見
      共に感じたタスキの重さ

           矢島秀子さん(南相馬市)
いち早く春よ届けとクロッカス
      光集めて勢揃いせん

小板橋順二さん(猪苗代町)
初春に今年こそはと思えども
不甲斐なくして馬齢重ねり

谷田川正さん(郡山市)
干支の犬盲導犬は大奮闘
今年もガンバでワンダフルイヤー

ATM
  福島市 宮崎英幸
街なかのウォーキングに盲(めしひ)われら
吾の勤めし銀行を訪(と)ふ
行員は一人ひとりの盲人に
ATMの操作教へり
融資には七つの責任伴ふを
      肝に銘じて吾は励みき
巧妙なる詐欺の手口を説明し
      注意促す元警察官
はびこれる詐欺の予防に銀行の
顧問となりし元警察官

    JRPS福島からお知らせ
 スマイルワン仙台のスタッフを講師に迎えて、教養講座を行います。(参加費無料)
 日時:3月25日(日)10:10受付開始
 場所:郡山ビッグアイ7階 第一会議室
 10:30~12:00 「歩行訓練士と歩行について考えよう」
 13:00~14:30 「盲導犬に触れて、聞いて、歩いてみよう」
 参加対象者は、 網膜色素変性症の患者とその家族・付き添い・関心のある方。
 申込みは3月1日(木)まで、穴沢さんへ
 電話:090-2367-4816
 次回は5月20日(日)に総会・講演会を行います。

     お知らせ&お願い
 ●貸出用の点字図書を整理しましたので、以下の点字図書をご希望の方に差し上げます。先着順としますので、お読みになりたい図書がありましたら、お申し込みください。(カッコ内は巻数)
 1.福島の子どもたちからの手紙(1)KIDSVOICE編
 2.知っておきたい放射線のこと(1)文部科学省
 3.放射能について考えて見よう(1)文部科学省
 4.犬がとなりにいるだけで(2)北川なつ著
 5.金狼(3)久生十蘭著
 6.新編あいたくて(1)工藤直子著
 7.いま、ここに生きる(2)ヘンリ・ナーウェン著
 8.覚えていない(3)佐野洋子著
 9.コミュニケーションを学ぶ(2)高田明典著
 10.アサギをよぶ声(2)森川成美著
 11.お父ちゃんのゲゲゲな毎日(3)水木悦子著
 12.たべるしゃべる(2)高山なおみ著
 13.おとなの背中(3)鷲田清一著
 14.川越達也の3ステップで10分パスタ(2)
 15.明日につづくリズム(2)八束澄子著
 16.リンゴ畑のマーティン・ピピン上・下(各4)ファージョン著
 17.アーサーの言の葉食堂(2)A・ビナード著
 18.「権力」に操られる検察(3)三井環著
 19.村上さんちのパパッとおいしい圧力鍋レシピ(3)村上祥子著
 20.うちの店にはなぜ客がまた来るのか(2)角章著
 21.命いっぱいに恋(2)朝霧裕著
 22.くちびるに歌を(5)中田永一著
 23.にんじん童話(4)藤本ひとみ著
 24.柴犬マイちゃんへの手紙(2)柳原三佳著
 25.秋桜 17歳女子高校生物語(2)すずきじゅんいち著
 26.殺人鬼の献立表(3)あさのあつこ著
 27.竜巻少女(トルネードガール)(3)風野潮著

 ●お宅に毛糸の残り物がありませんか?太さや色は問いません。チャレンジの活動に使用したいと思いますので、「いつか使うかも」と思って奥にしまい込んである毛糸がありましたら、ご寄付をお願いします。

 ●余分な新聞整理袋がありましたら、提供ください。印刷した点字用紙を保管したり、運んだりするのに便利に使用していますが、時々不足します。余分にあるときに提供いただければありがたいです。

     小椋さんの 「私のおすすめ」

『Flowers for Algernon(翻訳版「アルジャーノンに花束を」)』キイス・ダニエル著・・・なんとなく時間があってサピエ図書館の点訳本の一覧を開いて見ると、「Flowers for Algernon」という題名を見つけました。前にテレビドラマで見たことがあり聞き覚えのあるタイトルだった事、英文のままだった事に惹かれて早速ダウンロード。SDカードに取り込んだデータをブレイルメモで表示して最初に思った事は、「何これ?読みにく!」でした。使われている単語が難しい訳でも文法が複雑な訳でもありません。ただ、単語が誤綴りばかりで流れて行かないのです。単語を耳で聞き、そのままローマ字で表したようなスペリングで、コンマやアポストロフィーはありません。どうして?
 ところが、読み進めて行くうちに、この綴り方が大好きになるんです。
 このお話の主人公チャーリイ・ゴードン(CharlieGordon)は知的障害を持つ37歳の男性です。その障害が原因で人から馬鹿にされた経験のある彼は、天才になりたいと願い、人工的に知能指数(IQ)は上げられるのかという研究の実験台となります。同じ研究の実験台となったハツカネズミのアルジャーノンと迷路から抜け出す速さを競うことで知能指数の変化を測定しながら、チャーリイはその日起こった事、思った事を書き留め、記録を残して行くのです。この本はチャーリイのその記録によって構成されています。研究に参加した当初、チャーリイはまだ読み書きの練習中でした。だから初めのうち誤綴りが目立っていたんですね。ところが、薬の効果が出始めたのでしょうか。チャーリイの記録は少しずつ正確さを増して行きます。少しずつスペリングが正しくなって行き、コンマやアポストロフィーも使われ始めました。その進歩をチャーリイ自身も感じ、喜んでいました。初めてコンマを習った時、その喜びのあまり1単語ごとにコンマを打っていたのにはくすっと笑ってしまいました。小さな子供のように、何か新しい事を覚えると得意になってそれを披露したくなる、そんな素直さになんとなくほっこりした気分になりますよね。チャーリイの言語の習得のパターンもまるで小さな子供のようでした。耳で聞いてそのまま言葉を記憶している初めの段階では「go」の過去形を「went」に出来ていたのに、過去形には「ed」が付くという規則を理解すると「go」の過去形を「goed」にしたくなるんですよね。一見知能指数が再び下がってしまったかのように見えるこの変化ですが、実は文法を理解し始めたという重要なサインなのです。レポートを通して、健気に努力するチャーリイが少しずつ進歩して行くのを感じると、応援したい気持ちでいっぱいになりました。
 チャーリイはこの後一時的に天才になります。薬の効果があって、天才になりたいという彼の願いは叶ったのです。この時のチャーリイのレポートは、綴りも文法も完璧でした。しかし、薬の効果は一時的で、チャーリイの知能指数は少しずつ元に戻って行きます。この時のチャーリイの台詞がとても切なくなるんです。「Please, please let me not forget how to read and write.」いままで積み重ねてきた物が全て失われて行くような気がしたのでしょう。また人から馬鹿にされたり同情されたりするのが怖かったのでしょう。皆さんも想像してみてください。今当たり前のように出来ている事が少しずつ出来なくなっていったらどうでしょう。少しずつ本が理解出来なくなっていったら?自分の思いはあるのにそれを思い通りに書き表す事が出来なくなったら?昨日は理解して書き留めていた自分の文章が、次の日には半分以上理解出来なくなっていたら?私は怖いです。世界が全く変わってしまうような気がします。
 しかし、知能指数や学力はそんなに大事なのでしょうか。この本を読んで、学力よりももっと失いたくないものがあると感じました。それは、本当にお互いを大切に思える家族や友達、素直さそして真心です。チャーリイが薬の効果で天才になり、完璧なレポートを書いた時、私は別にその文に感動は覚えませんでした。それどころか怖いとさえ感じました。その文は完璧すぎてまるで機械のようだったのです。薬の効果が切れ始めた頃のレポートを読んでほっとしました。それは完璧ではありませんでしたが、そこには努力の跡が見られ、健気さと人間味が溢れていました。完璧でなくてもいいから、真心を込めて、愛を込めて、素直に目の前の物事と向き合う、これが人間のあるべき姿なんだと思います。
 元の知能に戻ったチャーリイは、自分が天才であった過去を知る人のいないどこか遠くへ行くことを決意します。友達を心から愛した彼が出発前に残した手紙の最後の台詞を読んで安心しました。実はチャーリイと共に実験台となったアルジャーノンは薬の副作用で命を落としてしまうのですが、チャーリイが手紙に残した最後の言葉はこの親友の安らかな眠りを願う言葉でした。
 「Please if you get a chance put some flowrs on Algernons grave in the bakyard.」(どうかついでがあったら裏庭のアルジャーノンのお墓に花束をそなえてやてください)(日本語版・英語版点訳、日本語版音訳あり)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

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