にじ307号

     2017年度も後半です

 10月13日(金)、米沢・高畠方面の小旅行は、ワイナリーでのワインの試飲、上杉神社の散策を満喫してきました。11月11日(土)のバザー、22日(水)の今年度最後のウォーキングにも皆さんの参加をお待ちしています。
 その後は、行事も冬バージョンに移ります。
 昨年冬からはじまった、サウンドテーブルテニスのおかげで冬も運動不足にならずに過ごせそうですね。
3年目に入る「ヨーガ教室」も12月からはじまりますので、じっくり体を調えるヨーガ教室にもご参加ください。
 12月9日(土)には、AOZで「ふれあいのつどい」が開かれます。にじの会は例年通り「点字体験コーナー」を担当します。また、フラサークルにじがフラダンスを発表し、「チャレンジ」が福祉作品展に出品します。ぜひ足をお運びください。

     今年最後のウォーキングは福島銀行見学&街中

 11月は福島銀行本店を訪問します。
 市民会館をスタートし、晩秋の街中を曽根田天満宮経由で福島銀行本店に向かいます。福島銀行では、ATM機(自動現金引き出し・預け入れ装置)の使用方法を学びます。
 昼食は市民会館に戻っていただきます。
今年度最後のウォーキングです。寒さ対策も忘れずにご参加ください。
 日にち:11月22日(水)(小雨決行)
 集合:市民会館1階ロビー 11:00
 解散:市民会館1階ロビー 14:00
 昼食と飲み物を各自ご持参ください。

     第25回にじの会の交流会に参加して

               郡山市 柳沼友治
 今年は珍しく9月に入ってからの開催となり、素晴らしい秋晴れに恵まれた中での開催となりました。
 利用者が約30名、にじの会会員とお手伝いの皆さんを合わせて全員で80名余りの参加でした。例によって参加者全員からの自己紹介がありましたが、今回は長々とお話しする方も無くすっきりと進みました。
 まず午前中は体験コーナーで思い思いに楽しみました。今回も三つの体験コーナーがあり、まずは脳トレを兼ねた健康体操、それからたこライスを作る料理教室、三つめは簡単な川柳作りでした。今年は約1時間を一つのコーナーでずっと過ごすやり方で、いつもより集中して出来たのではないでしょうか。
 私は川柳作りのコーナーに混ぜていただきました。何と廊下から座って使うテーブルの前まで茣蓙が敷いてあり、車いすに乗ったまま部屋に入れるように工夫して下さっていました。いつもながらの優しい心配りに朝から心が熱くなり、感謝の気持ちで一杯になってしまいました。それでは尚更頑張らなくてはと思いましたが、川柳の作り方を正式に習うのは初めてでしたから、それまでの考えが甘かったことに最初からガツンとやられた感じでした。驚いたことには、講師の方が何と87歳と高齢の女性だったことです。ところが、マイクを手にすると次から次へと言葉がほとばしって来て、流石に知識が豊富で、頭の回転の良い方だと思いました。俳句とのちがいを教えていただき、「なるほどな」と頭では分かったつもりでしたが、いざ作句に入るとなかなかまとまりません。何か課題があるのかと思ったのですが、「自由に作って良いんですよ」と言われて、俳句をやっている私に取りましては季語に当たることばがないこともあり、何か掴み処の無
い感じで苦労しました。
 それでも先生が暮らしの中のこと、家族のこと、趣味のことなどのお話しをいろいろとして下さったので、そんな中にヒントを見出して何とか3句ほど提出することが出来ました。中には「なるほど!」と感心させられる作品もあり、川柳はセンスが必要だなと思いました。その他の体験グループでも充実した楽しいひと時を過ごせたのではないでしょうか。
 また、午後からの講演では「ゴミの出しかたについて」のお話しがありましたが、福島市が全国でワースト1位と知り驚いてしまいました。早くこの汚名は晴らさないとまずいですよね。皆さん、頑張って下さいね。
 最後には、短い練習時間にも拘わらず、楽しいフラダンスを披露して下さり有難うございました。ところで、県北方部の渡部幸助さんも同じ衣装を着けて踊っておられたと介助者から教えてもらってまたまた驚かされてしまいました。
 楽しい1日を有難うございました。

交流会
福島市 宮崎英幸
年々(としどし)にボランティアとの交流会
      続け来たりて四半世紀経ぬ

椅子にかけ一時間ほど体操す
貴重なるべし脳トレ筋トレ

展示されし便利グッズゆ電池付きの
白杖選りて歩行確かむ

白き杖持つ手に振動伝はりて
センサー知らす障害物を

「涙そうそう」の楽に盲人らのフラダンスを
手拍子取りてひたに見入りぬ

おたより
南相馬市 矢島秀子

 こんにちは。秋めいてきましたね。寝心地がよくなり、ときには朝寝坊をしてしまいます。
 避難先の仮設から小高区に帰還して2ヶ月になろうとしています。戻ってふるさとが震災前とあまりにも変わり、本当に残念でなりません。何よりも周りに人がいないことが不安です。なんとしても健康でなければ、と思い、このたび、にじの会にお願いして歩行訓練を受けることができました。
 おかげさまで門から一歩も歩道に出ることができなかったのが、少しずつ距離を延ばし、一人歩きができるようになりました。ほんとうにありがとうございます。
 あと2回訓練士さんが来ていただけるとのこと。重ね重ね感謝申し上げます。

 ※ にじの会では、日本盲導犬協会スマイルワン仙台のご協力をいただき、白杖体験会や1対1の歩行訓練を行っています。今年度は会津若松市で白杖体験会を行い、全く初めての方、また自分の歩き方を確認したい方など、7名の参加がありました。個別の歩行訓練では、1対1で歩行訓練士の方が指導してくださいます。自宅から駅、スーパー、郵便局など希望に応じて行いますので、事務局にお申し込みください。一つの目的に3回まで指導を受けられます。無料です。

    短歌・俳句・川柳

安達孝次さん(須賀川市)
カレーだよ釣瓶落としの母の声

           谷津フク子さん(郡山市)
扇風機お世話様ねと拭き仕舞う

           佐藤恵治さん(福島市)
変顔で川柳作りのネタ探し

丹治恵子さん(福島市)
夕暮れに祭り太鼓が鳴り響く

           柳沼友治さん(郡山市)
無造作にあぜに寝かさるかかしかな

佐藤カツ子さん(福島市)
晩秋の夜の音色我は琴ひきつ

           小板橋順二さん(猪苗代町)
津波受く相馬の里の水青い
      語り繋げよ奇跡と命

           矢島秀子さん(南相馬市)
怖がるな我に聞かせて白杖(つえ)をとる
      外は秋晴れ訓練びより

           三浦寛さん(国見町)
花と実で季節を担った秋の木が
      君の番だとリンゴにバトン

           宮崎英幸さん(福島市)
吾が庭の集(すだ)く虫の音聞きにつつ
      オーケストラの様(さま)を思へり

穴沢勲さん(会津若松市)
彼岸花姿は見えずさわるだけ
会津の野山歩いて健康

谷田川正さん(郡山市)
秋晴れに眞子様カップルご婚約
宮家の質地に民は歓喜す

夏秋なる蝉虫しぐれ声去りて
      山里下る錦の織り布

蓮沼昌三さん(会津若松市)
磐梯と信夫を結ぶにじの橋

 ※ 蓮沼さんは、会津若松市でのミニ交流会の句を寄せてくださいました。市内の方を中心にボランティアも含めて26名の参加となり、和やかで賑やかな会となりました。来年度もミニ交流会を行い、日頃めったに会えない方との交流をはかりたいと思います。

● 「平成28年度食料・農業・農村白書のあらまし」のデイジー版が農林省から届いています。お聞きになりたい方は事務局にお申し込みください。

      「私のおすすめ」

 今月も小椋汐里さんのおすすめです。サピエに点訳・音訳・テキストデイジーがあります。

『“できること”の見つけ方 全盲女子大生が手に入れた大切なもの』(石田由香理著)・・・国際キリスト教大学で学んだ全盲の女性の体験談です。明るく行動的な彼女が、どのように志望大学を見つけ、どのように受験に挑み、またどのように大学生活を送ったのか、その様子が細かく記されています。全盲というハンデを抱えている事で生じる問題や苦労、そしてそのおかげで触れられる人の温かさ。読みながらはらはらしたりほっとしたり、一気に読める本だと想います。
 ちょうど大学を目指している時にこの本に出会い、とても勇気づけられました。大学に入学した今でも時々読み返すと参考になる内容ばかりです。
 誰にでも役目(できること)が何かしらあるという事を感じさせてくれます。

 ※ 先月号でご紹介した「私を離さないで」の作者、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞しました。まるで予想したようなタイミングで紹介でき、驚いています。カズオ・イシグロ氏の次のような作品がサピエ図書館(点字・音声デイジーとも)にアップされています。
『浮き世の画家』・・・戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。小野は引退し、屋敷に篭りがちに。自分の画業のせいなのか…。老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れる。
『日の名残り』・・・品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々・・・。過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
『夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』・・・ベネチアのサンマルコ広場で演奏するギタリストが垣間見た、アメリカの大物シンガーとその妻の絆とは・・・ほろにがい出会いと別れを描いた「老歌手」をはじめ、うだつがあがらないサックス奏者が一流ホテルの特別階でセレブリティと過ごした数夜を回想する「夜想曲」など、音楽をテーマにした五篇を収録。人生の夕暮れに直面して心揺らす人々の姿を、切なくユーモラスに描きだした短篇集。
『忘れられた巨人』・・・アクセルとベアトリスの老夫婦は、遠い地で暮らす息子に会うため長年暮らした村を後にする。若い戦士、鬼に襲われた少年、老騎士、さまざまな人々に出会いながら雨が降る荒れ野を渡り、森を抜け、謎の霧に満ちた大地を旅するふたりを待つものとは・・・。
『わたしたちが孤児だったころ』・・・上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは10歳で孤児となった。貿易会社勤めの父と反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。ロンドンに帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる上海へと舞い戻るが・・・。

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

訪問者数