にじ357号

新年おめでとうございます!

2022年、令和4年の幕開けです。
今年こそ、普段の日常が戻ってきますよう切に願います。平穏な日々に感謝しつつ、皆さんと共にゆっくり歩を進めていける年になりますように!今年もどうぞよろしくお願いいたします。

市長賞を受賞! 福島市福祉作品展

第47回福島市福祉作品展が12月3日~5日にAOZで、開催され、チャレンジクラブが出品した工芸品「はちのマンション」が見事福島市長賞を受賞しました。
この作品は、8月の交流会に向けて取り組んだ点字用紙で作ったボックスを40個以上蜂の巣状に組み合わせ、それに指編みなどで使用している毛糸で作った色とりどりの蜂を住まわせてマンションに見立てたもので、ファンタジックで明るい雰囲気を醸し出しています。コロナ禍で開催できなかった交流会を思い、みんなが賑やかに集える日が早く来ますようにという願いも伝わってきます。チャレンジクラブの皆さん、おめでとうございます!

便利グッズ体験会を行います

便利グッズや日常生活用具の体験会を行います。新しい拡大読書機や便利グッズを体験してみませんか。交流会で毎回展示してくださる小原眼鏡さんのご協力で、じっくり、ゆっくり体験できるようにしました。また、会報にじで紹介した便利グッズも展示します。
日時:1月26日(水)11:00~14:00
会場:サポートセンターにじ 2階会議室
当日は、ウォーキングクラブ、チャレンジクラブの日ですので、活動の前後にもご覧いただけます。もちろん、体験会だけの参加もOKです。
ロービジョンネットワークの10月開催のフォーラムで紹介された「エンジェルアイ・スマートリーダー」も展示していただきます。エンジェルアイ・スマートリーダーは、小型カメラと小型スピーカーを搭載した活字文書読み上げのウェアラブル装置です。メガネのフレーム部分に装着して、撮影した文字情報を音声で読み上げます。音量や読み上げ速度や、声の種類の変更も可能です。また、ブルートゥース設定も可能で、音声指示に従ってブルートゥースイヤホンと接続ができます。なお、Wi-Fi等の通信環境は必要ありません。重さは、約30グラムです。
この他にも、日常生活用具を種々展示していただきますが、体験してみたい機器がありましたら、お早めにご希望をお寄せください。

感謝状をいただきました

公益社団法人福島県鍼灸あん摩マッサージ指圧師会(福島県師会)が創立110周年を迎えられ、12月5日(日)に記念式典が行われました。その席上、にじの会に感謝状を贈呈いただきました。ありがとうございました。福島県師会の会報や学術研修会の資料、日々のお知らせ、会議資料などの点訳を長年継続してきたことへご褒美と受け止め、これからも皆で活動を継続していきましょう。

短歌・俳句・川柳

柳沼友治さん(郡山市)
紅潮すマラソン人の息白し

薄井セツ子さん(福島市)
マスクして眼鏡に帽子アンタ誰

佐藤恵治さん(福島市)
紅葉狩りコロナ禍マスク別景色

穴澤勲さん(会津若松市)
落ち葉踏みカサカサ音に右左
続けているよコロスケ散歩

武田栄子さん(福島市)
声立てて笑うひ孫を抱きしめて
幸せ味わう秋の夕暮れ

矢島秀子さん(南相馬市)
雪虫の頬に残した冷たさに
のぞいてみたい自然の不思議

小板橋順二さん(猪苗代町)
コロナ波落ち着き見せれば原油高
忍耐強きは日本の民

三浦寛さん(国見町)
食卓に並ぶ手料理柚子の味
香りプカプカついつい長湯

谷田川正さん(郡山市)
丑年をコロナマスクで過ごしつつ
思い新たに年の瀬暮れる

お知らせ

●障害年金の「眼の障害認定基準」が令和4年1月1日から一部改正されました。この改正に伴い、眼の障害で2級または3級の障害年金を受給している方は障害等級が上がり、障害年金額が増額となる可能性があります。そのため、「額改定請求」を行う必要がありますので、日本年金機構からのお知らせをお読みになり、必要な手続きを行うことをお勧めします。この改正によって、障害等級が下がることはないそうです。問い合わせ先は、最寄りの年金事務所、または、ねんきんダイヤル(0570-05-1165)です。

坂下さんの 「私のおすすめ」

『彼岸花が咲く島』李琴峰著・・・最近ネットニュースを読んでおりましたら面白い記事を見つけました。東京都内・男女共学・都立高校の入学試験の話です。教育の機会を均等なものとするために、男女同数の合格者を選抜してきたと言います。この制度は長いこと継続されてきたようです。その入試の合否内容を分析しますと、女子生徒の点数が男子生徒に比較して明らかに優位であったことが判明したと言います。生物としての成長速度、さらには生物としての生活環境などを考えますとこれらの事象は十分にあり得ることです。
しかし現実問題として底辺、合否境界線上ぎりぎりに位置する女子生徒の一部が不合格とされ、さらに成績の劣っている男子生徒が合格とされ、員数合わせがなされていたというのです。員数調整のために、成績内容が無視されゆがめられてもよいのか。成績優先ならば明らかに女子生徒優位。男女の教育を受ける機会均等ならば、明らかに女子生徒不利。
さて困った!!
教育行政の専門家により検討が重ねられ、今後は試験結果優先により合否が判定される方向で制度改革が進められるようです。これからは機械的な男女同数合格という無理筋は二次的なものとして形骸化して行くことになりそうです。個々人の能力に応じて「学び」の機会を保証し提供しなければならない教育行政であるならばこれは当然の帰結ではないでしょうか。
さらに今ややこしいことになっているのが、クオータ制です。政治における男女平等を実現するために、議員・閣僚などの一定数を女性に割り当てる制度のことだそうです。長年にわたり、女性の社会活動を促進しようとの試みが進められてきました。しかしそれも思うに任せぬために機械的に、強制的に制度化しようという話のようです。
尊敬に値する素晴らしい女性たちなら、私たちの周囲に沢山おられます。そのような人たちにご活躍いただけるならば大歓迎です。しかし過激な女権活動家も沢山います。すでに明らかな冤罪も引き起こされています。それらも虐げられた女性の立場を回復するためには当然許されることとして、恬として恥じることもありません。それらの人々がクオータ制度を手にするならば、たちまちの内に政治権力に群がり恣意的な行動に突っ走って行くこともまた間違いないでしょう。
今回取り上げた作品は、令和3年上半期・第165回芥川賞受賞作です。
南の離れ小島に、ある日一人の娘が流れ着きました。記憶のほとんどが失われていました。その島は、代々御嶽(うたき)に仕える女たち「のろ」により差配されてきました。そしてそこで暮らす人々は、遙かな海の彼方に、神々の住まわれる「ニライカナイ」のあることを信じて日々の営みを送っていました。慎ましやかな島の生活には、よそから流れ着いたものを受け入れるだけの余力などありません。しかし、御嶽(うたき)に仕える「のろ」としての未来を約定するならば島人として受け入れられることを示されます。
一人の少年は悩み続けます。島を差配する「のろ」にはなぜ女だけが選ばれるのか。なぜ男はその役に就いてはならないのか。そもそもこの島の歴史はなぜ封印され、自由に学ぶことが許されていないのか。
純文学、一つの試行実験作品といえるでしょう。(点訳・音訳あり)

※《坂下さんの「私のおすすめ」》の連載は今回で終了となります。「にじ125号」(2002年9月1日発行)の「私のおすすめ」コーナーに初登場以来、豊富な読書量を背景にした特徴ある選書と、ちょっとスパイスの効いた巧みな文章で、「毎号楽しみ!」という声が数多くありました。「にじ」読者の、本の世界も、想像の世界もずいぶん広がりました。坂下さん、長い間ありがとうございました。これからも、時折顔を見せていただけるようお願いいたします。

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

訪問者数