にじ356号

少人数長期間バザー&ちょこっと小旅行滞りなく終了しました

コロナ禍の中、今年の活動は制限を余儀なくされましたが、感染対策を十分に行い、規模を縮小して種々の活動を実施してきました。
入場者数制限の長期間バザーは、昨年度と同じ方法となってしまいましたが、少しずつ展示品を入れ替えながら、ゆっくりと選んでいただける形をとって、例年とほぼ同額のご協力をいただきました。ご協力いただいた方々にお礼申し上げます。来年こそは通常のバザーが開けますように願っています。
小旅行も阿武隈急行鉄道を利用して、隣の市・伊達市大泉へのローカル線の旅、亀岡家住宅で昭和の品々に触れ、そして広大な保原総合公園で思い切り深呼吸をすることができました。参加者は皆満足でしたが、小旅行も来年は元の形に戻ることができるようにと願いつつの帰路となりました。
今年度の行事はほぼ終了し、冬期間はクラブ活動のみの活動となります。クラブ活動への新たな参加者もお待ちしています。

便利グッズ

野菜の皮きれいに薄くむける「野菜の皮むき」
水に濡らしてこするだけでジャガイモ・ニンジン・ゴボウ・すべりやすい里芋なども皮をしっかりむくことができます。強力研磨剤使用で包丁を使うよりも野菜の皮を薄くむくことができ、余分に身を落とすことがないので生ゴミを減らすことができます。水洗いし、繰り返し使うことができます。
にじの会の便利グッズコーナーの超ロングセラー品です。定価:245円

「ザリガニの鳴くところ」を読んで

※ 上越市の中村利香さんから、2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位で話題の「ザリガニの鳴くところ」(ディーリア・オーエンズ著 点訳・全7巻)を読まれた感想をお寄せいただきました。推理小説ですので、ストーリーは読んでお楽しみください。

ページをめくって読み始めると著者の温かい文章と訳し手のうまさも手伝ってか、この物語の世界に引き込まれて行き、「少し疲れた一服コーヒーでも」と思うのですが、ストーリーの先が気になり、コーヒーを飲み終えるのも早まりました。
この小説はサスペンスも感じられるのですが、カイヤという一人の少女の成長も細やかに描かれていて、この作品の深みを実感しました。一人の少女の境遇の切なさが、ストーリーを一層膨らませて想像力をもかき立てます。
外国の本は私たちの知らないいろいろなことがらをやさしくさりげなく教えてくれ、湿地の沼地に住む人がいることや、アメリカにも差別を受ける貧しい白人の方がいることをこの1冊の本で学べて、ありがたいです。
作者は動物学の博士です。アメリカの海や森といった自然が美しく描かれていて「さすがに動物学者は違うな」と感じました。
外国の本ではその国の食も大変気になり、カイヤの焼くパイはとても美味しそうでした。
最後に真相が分かったときは、人間の心の闇の奥深さをしみじみと痛感しました。

短歌・俳句・川柳

柳沼友治さん(郡山市)
霧晴れて日頃の暮らし取り戻す

佐藤哲哉さん(福島市)
現代の関所は体温計るとこ

薄井セツ子さん(福島市)
へそくりの傍で夫が探し物

武田栄子さん(福島市)
夫(つま)亡き後寂しさ増しぬ秋の夜
虫の音聞いて心和みぬ

矢島秀子さん(南相馬市)
そっけなく父の手渡す焼きいもの
温もりに負け詫びた悪口

小板橋順二さん(猪苗代町)
タンデムのペダルを踏めば風となり
浜路の気分ツール・ド・いわき

山本敦士さん(伊達市)
この年もお詫びお詫びの頭下げ
しっかりしてよ上に立つ人

穴澤勲さん(会津若松市)
四畳半しっぽり濡れる君と俺
屋根の雨漏りバケツがひろう

三浦寛さん(国見町)
長床のイチョウ踏みしめ深呼吸
晩秋会津の歴史に触れる

清野隆一さん(郡山市)
勘違い道で迷って立ち止まり
人混みで待つ軽い手助け

谷田川正さん(郡山市)
衆議選開けてみたればなんのこと
命拾いの比例で助く

JRPS福島からのお知らせ

JRPS福島の忘年会をオンラインで行います。
日時:12月19日(日)18時~20時頃
申込み先: murajun777@docomo.ne.jp (村澤淳)
締め切り:12月12日
申込み後、3日以内に返信メールを送りますので、届かない場合は針生まで連絡お願いします。
連絡、問い合わせ先:090-1378-6734(針生裕美子)

お知らせ

●にじの会からお送りする振込用紙を、2022年1月から青色(料金払込人負担)に統一させていただきます。これまで、払い込みをされる際の手数を少しでも軽減しようと思い、赤色(受取人負担)の振込用紙に、にじの会の経費と振り込み料金をプラスした金額を記入してお送りしていましたが、「ゆうちょ商品」のサービス変更により、振込料金額が複雑に分かれることになりましたので、青色に統一させていただくことにしました。「ゆうちょ商品・サービスに関するお知らせ」によると、窓口で支払う場合、ATMで支払う場合、ご自分の口座から支払う場合、現金で支払う場合とそれぞれに料金が異なることになります。
1月からは、こちらからお送りした経費額にそれぞれの支払い形態によって請求される払い込み料金をプラスして、お振り込みください。お手数をおかけしますがどうぞよろしくお願いいたします。

●12月29日(水)から1月5日(水)まで、サポートセンターにじは、年末年始の休館にさせていただきます。皆さまにはご不便をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

●来年のカレンダーの季節になりました。毎年お届けしている方には今年も到着次第すぐにお送りいたします。新たにご希望の方は事務局にお申し込みください。 また、「神宮館家庭暦」点字版(全2巻・262ページ)・音声版(デイジー)をご希望の方も事務局へお申し込みください。点訳は第1巻が暦、第2巻が運勢です。そのほか、1枚ものの大判のカレンダー(りそな銀行からの寄贈)やユニバーサルデザインカレンダー「日本の動物」(視覚障害者支援総合センター発行)もあります。その他、二十四節気・七十二候の説明や四季折々の俳句などが入った「歳時記カレンダー」(点字版 全1巻・音声デイジー版)は、にじの会で点訳・音訳しています。

坂下さんの 「私のおすすめ」

『ペルシャの幻術師』司馬遼太郎著・・・今回取り上げました作品は、昭和30年代に発表された、8つの物語からなる初期短編集です。その後次々と発表され、日本の文壇を凌駕し、社会の各分野で司馬史観との高い評価を受け続けた数多くの作品群に通底する格調高い香気が今回の短編集にすでに色濃く漂っています。
その中の第2編「ゴビの匈奴」。ゴビ砂漠と言えば、日本人にとって、取り分け戦前の知識人・若者たちに取り大陸への郷愁を駆り立て続けた地域でもあったようです。旧制第三高等学校・寮歌でも「千載秋の水清く 銀漢(ぎんかん)空にさゆる時 通える夢は崑崙(こんろん)の 高嶺の此方(こなた)ゴビの原」と歌い続けられました。
東西約1600km、南北約970km、総面積約130万km2、極めて厳しい自然環境です。今もなお、最新鋭の四輪駆動車を連ねて全行程の走破に果敢に取り組んでいる人々がいます。その旅程は困難を極め、多くの探検家たちが遭難し、目的を果たせずに挫折することも珍しいことでは無いと言われています。
しかし、かつてモンゴル帝国の人々はこのゴビ砂漠を強健な蒙古馬(もうこうま)に打ち跨がり、ほぼ20日で走り抜けていたと言われます。著者はただただ驚嘆し「これを人とは呼ばない、人以上か、人以下である」と、最大の言葉で賞賛しています。
1206年、この大モンゴルの部族を統一し帝王の座に就いたのが英雄・チンギスハンでした。中国・中原にあった金・宋王朝を倒し、さらにはヨーロッパを制覇し史上最強・最大の元王朝を築き上げました。現在もなお、ヨーロッパの人々の心に根深く刻まれた黄禍論という恐怖心の淵源ともなっています。
日本との関わりも深いものがあります。チンギスハンの孫、第五代皇帝・フビライは、朝鮮半島を攻略し、日本へ2度にわたり侵攻、文永の役・弘安の役です。圧倒的な兵力を有しながら、2度の侵攻ともに、上陸直後に全ての兵を引き上げているのです。台風に遭遇してほとんどの軍船が大破、所謂神風です。あるいは玄界灘の荒波に大陸国家の兵士たちが耐えられずに、継続しての戦闘力を維持できなかったとの説もあり、今も多くの歴史家の興味をかき立てているようです。この国難に対峙した、鎌倉幕府第8代執権・北条時宗は心労が重なり34歳という若さで絶命しています。
義経北行伝説というものもあります。1189年(文治5年)、兄頼朝の疑いを晴らせぬままに、奥州平泉・藤原氏に身を預けていましたが、追討軍に囲まれ、衣川で自決したと歴史は物語っています。しかしその真実は、頼朝の追っ手をかわし、蝦夷地から大陸へと渡ったとの説。義経主従は、モンゴルの人々に迎え入れられ、その天才的な軍事能力により頂点に上り詰めチンギスハンとなったというものです。
二人の英雄。その年表を重ねてみますとあきれるほどにぴたりと重なるのですから歴史とはなんとも興趣に満ちた世界でもあるようです。
このような伝説を想定して考えますと、フビライの日本侵攻も、日本人を震え上がらせるところまで追い込みながらさっと軍勢を引く。なにやら意味ありげにも見えてきます。在野の研究者・歴史学者による研究書も数多く発表されているようです。興味のある方はぜひお読みになってみてください。(点訳・音訳あり)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
TEL:024-529-7021
FAX:024-529-7031

訪問者数