にじ350号

気を配りながらのスタートです

新年度がスタートしています。サポートセンターにじでも、「密集・密閉」に気をつけながら、種々の活動を行っています。
ウォーキングクラブも順調にスタートしました。ウォーキングは、心身の健康維持に十分な効果を発揮してくれると思います。
福島市のボランティア養成講習会も、腰の浜会館やAOZなどを会場に開催されます。
音訳講習会:6月1日~7月13日、毎週火曜日、13:30~15:30、AOZ
点字学習指導員講習会:6月2日~7月7日、毎週水曜日、13:30~15:30、腰の浜会館
点字入門・基礎講習会:9月1日~1月26日、毎週水曜日、13:30~15:30、腰の浜会館
以上の予定で、例年通り行われますので、ボランティアに関心のある方には、お声かけください。
また、交流会はいつものようなプログラムを組むことはできませんが、8月29日(日)AOZで行う予定です。クラブ活動の成果の発表と、移動を少なくした形での内容を考えています。それまでにワクチン接種も順調に進んでいることを願っています。
8月以降の予定については、改めてお知らせします。

2020年度の活動報告(2)

前号から引き続き、2020年度の活動をお知らせします。点訳・音訳・テキストデイジー・テキスト化の製作・貸出・印刷の実績、会員数、会報にじの製作・発送部数などについてご報告します。

2.情報収集支援のための点字化・音声化等活動
(1) 図書製作数(タイトル数)
点訳 279(709巻  75,655頁)
音訳  33(193時間27分)
テキストデイジー 26(5,707頁)
テキストデータ 8(1,472頁)
墨訳   17(106頁)
(2) 貸出数(タイトル数)
デイジー図書    1220
テープ図書      5(20巻)
点字図書        234(767巻)
逐次刊行物(デイジー)月刊 192
(3) サピエ図書館(タイトル数、ダウン・アップの順)
点字データ    3,188  157
音声デイジー    4,923      13
テキストデイジー  909    26
(4) 点字時刻表(部数)
福島県内版   19
郡山駅版    15
プライベート版 32
東海道新幹線  10
(5) 点字プリント数
154,777枚  299,251ページ
3.啓発・普及
(1) 会報「にじ」の発行 月1回(337号~348号)
発行部数  墨字版290部  点字版157部
テープ版15本 CD版 48枚
メール(テキスト)    42
登録数   利用者 339名 会員 134名
賛助会員 75(個人72名 団体 3団体)
(2) 点字体験・ガイド体験、点字の普及活動
担当者13名 体験人数 226名
「ふれあい広場」点字普及・啓発活動  30名
高校・大学・専門学校    33回   57名
小中学校         1校   70名
その他(各種講習会講師)  1回     55名
(3) 街中の点字表示
タクシー車番号表示    1社     1枚
封筒への点字印字            4,272枚

短歌・俳句・川柳

柳沼友治さん(郡山市)
昭和の日気だるさ満つる大公園

佐藤八重子さん(福島市)
病院が老いた二人のデート場所

矢島秀子さん(南相馬市)
高々と二重に構える防潮堤
砕けて散るな牙むく海に

小板橋順二さん(猪苗代町)
公園に友と散りしリラの花
遠き昔の香ぞ匂いける

武田栄子さん(福島市)
嬰児(みどりご)を胸に抱けばほのかなる
ミルクの匂いに遠き日思いぬ

三浦寛さん(国見町)
五連休行楽無しで座敷牢
化粧忘れた我が家の姫も

谷田川正さん(郡山市)
薫風に我心身を蘇らす
夏に向かいてパワー増進

穴澤勲さん(会津若松市)
朝起きて今日も元気と空を見る
一日ひとつ良いことやろう

お知らせ

●日本盲導犬協会スマイルワン仙台から、「盲導犬オンラインセミナー」「各種体験会」「短期視覚障害リハビリテーションのご案内・申込用紙」が届きました。盲導犬オンラインセミナーは、毎月1回Zoomで開催しています。短期リハビリテーションは、6月21日(月)からと10月18日(月)からそれぞれ4泊5日で実施されます。いずれも手帳の有無は問いません。申し込みや詳しいお問い合わせは、スマイルワン仙台視覚障害サポート部へお願いします。
電話 022-226-3910

●検察庁が作成した『犯罪被害者の方々へ 被害者保護と支援のための制度について』(令和3年3月)が点字版5冊、CD版2枚一組が届いています。
検察庁では、犯罪によって様々な困難に直面した被害者の方に対して相談に応じたり,事件の処分結果をお知らせするなど、被害者の方の保護と支援に努力しています。この冊子では、犯罪による被害者やご遺族等の方々に対して検察庁で行っている保護や支援の制度について捜査や裁判などの各段階に応じて記載しています。

坂下さんの 「私のおすすめ」

『神武天皇「以前」 縄文中期に天皇制の原型が誕生した』宮崎正弘著・・・日本の歴史が今面白いことになっています。旧石器時代・縄文時代、初代神武天皇以来の歴史を綴った古事記・日本書紀は、神話の世界・観念による虚妄の世界と思われてきました。しかし、今驚くべき科学技術の発展により考古学の世界が激変し、次々と新しい事実が明らかにされています。三内丸山遺跡を初めとする縄文時代の数々の遺跡、そこには豊かに平和な生活を送っていた人々の痕跡が明らかに残っていると言われます。
激しい戦いが繰り広げられると、そこには無数の人骨が横たわり、明らかな痕跡が残ると言われます。しかし縄文の人々の遺跡には、そのような戦いの痕跡がほとんど見られないそうです。さらに驚くべきことに、明らかな身体障害を持っていたであろう人の人骨には人々の集団の中で人生を全うしたものも多数確認できるというのです。
小さな貝殻や、美しい小石を連ねたり、蔓を編み上げ草木の絞り汁で色づけした小物入れなども次々と発見されています。当時の女たちもおしゃれを楽しんでいたのでしょう。さらには生物としての遺伝子の解析により、今に生きる私たち日本人の中に、縄文の人々の形質が鮮やかに残っているというのです。
戦後、歴史学会でことさらに強調されてきた大陸国家との交わりは、それほど濃密なものではなかったようです。
言われてみればうなずけることも幾つかあります。易姓革命の名の下に、次々と現れては滅んでいった中国の王朝。その変化にはご先祖様はもちろん、現代に生きる私たちも悩まされ続けています。文化・宗教・医学・律令制など、多くの事柄を学び、覚えなければならなかったことは、紛れもない事実です。しかし、そのような中国歴代王朝で途絶えることなく継続していたものがあります。それは、男に対しての宦官、女に対しての纏足、そして巨大な王朝国家を維持するために行われていた官吏登用のための科挙制度です。これらの制度については当時の日本の指導的な立場にあった人たちは十分に知悉していましたが、日本の国策として取り入れることはありませんでした。
科挙制度については、一人でも採用されることによりその一族は数世代にわたり遊んで暮らせたと言いますから何をか言わんや。
平安時代の大学者・菅原道真は、大陸国家との往来などばかばかしいからやめてしまえと主張しました。小中学校で学んだ社会科の歴史教科書には、遣隋使・遣唐使について、誇らしげに記述されておりましたが、他の歴代王朝との往来についてはほとんど皆無です。
翻って、私たちの先人の歩んできた歴史の流れは極めて厳しいものでもありました。大きな自然災害に苛まれ続けてきたこともまた事実です。幾多の権力争いのあったことも歴史に刻まれています。その悠久の時の流れの中、日本人の精神性・文化・民族の中心軸として常に皇室の存在したことを忘れてはならないでしょう。世界では多くの王朝が勃興しては滅んで行きました。一つの王朝が滅びることなく、今に至るまで継続してきたのは大和朝廷、現在の皇室のみなのです。初代神武天皇より今に至るまで民草と心をともにして数知れぬ苦難を乗り越えてきた事実は特筆すべきことではないでしょうか。
「天(あめ)の下に新しきものなし」(旧約聖書「伝道の書」)
先人の歩んだ苦難に満ちた歴史の中にこそ、今生きる私たちが学ぶべき事柄が残され、記録されているのかも知れないのです。本書は考古学の最新の知見を踏まえ、古代日本の実相を生き生きと描き上げた胸躍るような一冊です。(音訳あり)

お問い合わせ先

特定非営利活動法人にじの会


〒960-8074
福島市西中央2丁目23-1
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